☆ロシア、チェコ向け石油供給を大幅削減 MD配備へ制裁か (7・15日経)


 ロシアがチェコ向けの石油供給を先週から大幅削減していることが明らかになった。チェコ政府が8日に米国のミサイル防衛(MD)施設を配備する合意書に調印し、ロシアは反発を強めていた。ロシア側は供給削減について「政治的な意図はない」と主張しているが、エネルギー供給を政治的な圧力に利用している可能性が高い。

 チェコからの報道によると、先週のロシアからの石油供給は半減。チェコの石油精製会社は政府の備蓄を取り崩して対応している。ロシアの輸送パイプラインを独占する国営トランスネフチは14日、「石油2社が採算の良い国内精製向けに供給を切り替えたため」などと説明している。

 ロシアはこれまでも政治的に対立するバルト各国への石油供給を「パイプラインの修復」などの口実で停止したまま復旧していない。2006―07年にはウクライナとベラルーシに対し、それぞれ天然ガスと石油の供給を一時止めて圧力を掛け、両国のパイプライン経由で調達する欧州各国に影響が広がった。


☆ロシアのガスプロム、イランで資源開発 通信社報道 (7・14日経)

 イラン石油省が運営する通信社は13日、ロシアの政府系エネルギー企業ガスプロムとイラン石油公社がイランの石油・天然ガスの開発で協力する協定に調印したと伝えた。イランの核開発を巡る米国の圧力で日欧の企業が資源開発の権益を縮小したりプロジェクトから撤退したりする一方、新たにロシアが参入する構図が浮上してきた。

 ガスプロムのミレル最高経営責任者(CEO)は同日、イランで同国のアハマディネジャド大統領と会談、資源開発での協力で合意した。ガス埋蔵量で世界1位のロシアと同2位のイランを含むガス生産国の連携が重要との認識でも一致し、「ガス版OPEC(石油輸出国機構)」の設立を目指す考えを示唆した。ガスプロムはイランのアザデガン油田、南パルスガス田の開発に関心を示している。


 ソビエト解体の要因ともいわれた原油価格の低迷。そこから見事復活し、現在の原油暴騰の波にうまく乗り、この世の春を謳歌しているようにもみえるロシア・・・。

 しかし、プーチン大統領からメドベージェフ大統領に引き継がれた今も資源ナショナリズムの台頭は変わらぬようで、宿敵、米国寄りになりつつあるチェコへのエネルギー供給をしぼり、圧力をかけていますね。

 ロシアとしては、米国がサブプライムで弱り切っている今こそ、世界覇権を握る千載一遇のチャンスだと、着実に戦略を練りつつあるのだと思います。

 先日のサミットで、唯一、イラン制裁に批判的だったロシア。この時、ピンときましたが、やはり、ガスプロムがイランで資源開発をするようですね。米国主導のイラン制裁にEUも合意し、それを無視できる勇気ある民間企業もいず、続々と欧米メジャーが撤退する中での参入ですよね。

 特に、原油のみならず、天然ガスでもカルテルをつくろうと鼻息を荒くしているロシアにとって、イランには宝の山が眠っているのです。

 これはまちがいなく米国を怒らせる重大なニュース。だけど、米国は今、国内問題で精一杯。ロシアとけんかできる力は残っているでしょうか・・・。しかし、これを見過ごしにしては米国の死活問題にかかわってきます。

 というのも、イラン、ロシアに共通すること・・・。これは、どちらも、原油決済を、ドルからユーロ・ルーブルへとシフトさせることを提言している国だということ、。この2国が仲良しになれば、ドルは完全に基軸通貨の座を追われ、それは、米国の終わりを意味することにつながるのです。

 ドル防衛にやっきな現在の米国、今後、ロシアの野望とどのように向き合っていくのでしょうか。それから、イランの地政学的リスクも気がかりです。世界経済の行方に深い霧がかかってきました。