☆アサヒビール、7月からロシアにウイスキー輸出(6・24日経)

 アサヒビールは7月から、ロシアにウイスキーを輸出する。大手酒類卸のAST社(モスクワ市)と組み、子会社のニッカウヰスキーが製造する「余市」などを販売する。2010年に1万ケース(1ケースは700ミリリットル瓶12本換算)の輸出を見込む。エネルギー価格高騰に伴う好景気でウオツカから他の酒類へとシフトが続くロシア市場を開拓し、日本市場の縮小を補う。

 「竹鶴」「スーパーニッカ」「オールモルト」なども合わせ10品目を輸出する。国内で約4500円の「シングルモルト余市10年」(700ミリリットル)はロシアでは1万円程度となる見通し。各ブランドとも高級品として販売する。ロシアの洋酒・ワイン流通で約1割のシェアを持つAST社が、ロシア全域の酒販店や飲食店に商品を卸す。


☆アサヒビール、天野実業の買収を発表(6・24日経)

 アサヒビールは24日、乾燥タイプの即席みそ汁などを製造する天野実業(広島県福山市)を買収すると発表した。伸び悩む国内ビール事業への依存から脱却するために多角化を進める。加工食の品ぞろえを増やすと同時に、天野実業のフリーズドライ(凍結乾燥)技術を生かして商品力を高める。


 今日のニュースから、アサヒビールの「海外強化」と「事業多角化」の二つの戦略がより際立ってきましたね。まずは、ロシアへのウイスキー輸出のニュース。ウイスキーを売り込むには、やはりロシアはうってつけの市場でしょう。国内ではただでさえ節約志向になり焼酎などへのシフトが進み、ウイスキーはすっかり下火となってしまいました。その点、超富裕層が確実に増え、さらにウォッカに飲みなれたお酒に強いロシア人にはウイスキーのまろやかなコクは受け入れられると思います。最大手のサントリーが2006年から既に輸出していることもあり、ここは負けてはいられないとばかりの意気込みですよね。

 BRICSの中でもロシアへはウイスキー、中国では牛乳事業と国によって事業内容を厳選していますよね。そう、ロシアは当分、新消費者層の拡大は望めそうもありません。エネルギーを売ることで利を得るのは一握りの官僚だけ。そこで値段の高い「ウイスキー」を選択。そして、中国はいまだ共産党の独裁とはいえ、かなり、大衆迎合型の政治になっています。人口の規模が違うこともあり、新消費者層の厚みが出てきています。となると、大衆に浸透しやすい「牛乳」は理にかなった賢い選択だとみることができます。同じBRICSでも戦略を変えて勝負することが必要になってくるんですね。

 それから、次に事業多角化のニュース。即席みそ汁などを製造する天野実業を買収と発表しました。この分野に進出することは私は正解だと思います。というのも、近頃、パンの値段が急激に上がったことにより、ごはん食が見直されるようになり、「ごはんのお供」が唯一、売上げを伸ばしているのです。お茶漬けの素、ふりかけ、しゃけそぼろ、海苔のつくだ煮、塩こんぶ、レトルトカレーなどですね。もちろん、即席みそ汁も白いごはんにはとっても便利な副菜になりえます。この有望分野に抜け目なく進出したことは、アサヒビールが総合食品会社へと脱皮する第一歩のような気がしてなりません。今後も、矢継ぎ早の企業イノベーションが起こりそうですよね。