☆スルガコーポ、再生法申請 普通社債、7年ぶり不履行に (6・24日経)

 東証2部上場の不動産会社、スルガコーポレーションは24日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表した。負債総額は約620億円。同社は7月25日付で上場廃止となる。取得した商業ビルの入居者立ち退き交渉をめぐる弁護士法違反事件で、暴力団に近いとされる不動産仲介会社との関係が表面化。資金調達が困難になったという。同社が発行した公募普通社債はデフォルト(債務不履行)になる。
 同社は立ち退き交渉業務の一部を光誉実業(大阪市)に委託し、都心の一等地にある権利関係が複雑な大型ビルを短期間で売却しながら業績を伸ばしてきた。弁護士法違反事件を受け、不動産の売却が困難になり、5月には新日本監査法人が2008年3月期の決算書類に監査意見を表明しないとする報告書を通知していた。
 24日に記者会見した岩田一雄会長は「やはりわきが甘かった。大いに反省している」と述べ、申立代理人の鈴木学弁護士は「現時点で債務超過ではない」と強調した。


☆大京など不動産大手、マンション在庫値下げ 最大1割安 (6・22日経)


 マンション分譲大手の大京、ダイア建設は完成在庫物件の値下げ販売を始める方針を明らかにした。下げ幅は物件により異なるが、最大10%となる見込みだ。マンション需要の冷え込みに対応。地価や資材価格の上昇により建設コストが拡大する中での異例の値下げで、膨らむ在庫の早期処分をめざす。
 一部の売れ残り物件を個別交渉で値引きする例はこれまでもあったが、完成在庫をほぼ一斉に値下げするのは珍しい。


 不動産業界・・・。特にここ数年、破竹の勢いで騰勢を強めてきた新興デベロッパーが今、大変なことになっていますね。今回再生法を申請したスルガコーポレーションにしても、モンゴルの大規模開発で波に乗り、急速に頭角を現してきた企業でしたが、アングラマネーとのかかわりが表面化、急速に信用を落とし、融資を絞られ、最後はやはり、資金繰りのめどがつかなくなってしまったようですね。

 不動産ほど、レバレッジを効かせる産業はないと思います。業界特有の構造もあり、様々なリスクが潜んでいます。特に、耐震偽装のヒューザーの問題があってから、急速に、不動産を選ぶ基準として、何か起こった時のために安心できる大手ブランドへ流れる傾向が顕著になってきました。そして、極めつけが、改正建築基準法とサブプライムによる融資の引き締めですよね。改正建築基準法での現場の混乱により、ぎりぎりの資金繰りで事業を回していた中小デベロッパーほど痛手を受けましたよね。そして、建材の高騰も追い打ちをかける中、サブプライムにより金融機関がリスクに敏感になり、信用力におとる中小デベロッパー、中小ゼネコンへの融資を急速に絞りました。結局、弱いものだけがバタバタと倒れる連鎖倒産が起こってしまったわけです。

 中小REIT、特に住宅系はもうボロボロですよね。最近では、唯一環境シフトで好調だった大和ハウスが予定していたREITが中止になってしまったのが、この市場のあまりにすごい冷え込みを象徴しているいい例です。政府の政策もこのところの不動産業界に嵐を呼んだ一因といえ、その責任は重大だと思います。

 そして、結果として、マンション分譲業者は在庫の多さに耐えきれず、ついに、損失覚悟の投げ売りに走り始めました。マンションに限らず、開発用地も投げ売りです。そして、このように投げ売りされた土地、マンションをどこが買うのかはもうお分かりですよね(笑)・・・。

 ほんとに、弱肉強食の不条理な世の中です。いちばん許せないのは、マネーゲームではなく、汗水たらして、いい物件をつくろうと、頑張っている末端の工務店が多数、廃業の憂き目に合っているという事実です。

 おそらく、私の見方からいえば、こうして先々脅威になりそうな新興デベロッパーを軒並みつぶしておいて、力のあるひとにぎりの大手デベロッパーがおいしいところ全部取ってしまうという流れでしょう。

 オーストラリアのラサール、シンガポールの動向からみても、資金が潤沢な大手業者にとれば、今はいちばんうまみのある時期なのです。

 不動産業界の淘汰の波はまだまだ続くでしょう。屋上緑化、風力発電など、環境を重視した素晴らしいコンセプトを持った企業が今や以前の10分の1ほどの株価になり疲弊している姿は見るに忍びず、なんとか、今は生き延び、将来に向けて起死回生のチャンスを待っていてほしい・・・。そんな気持ちになる今日このごろです。