☆サウジ、原油生産能力を最大1.5倍に 産消国会合で表明(6・23日経)
原油価格の高騰への対応を協議するため、主要な産油国と消費国が22日、サウジアラビアのジッダで緊急閣僚会合を開いた。原油高を受けた増産や投機抑制策などが焦点。サウジは2009年末までに生産能力を最大で現状の約1.5倍となる日量1500万バレルに引き上げることを表明。供給不安の解消へ主導的な役割を果たす意向を鮮明にした。
会合は原油価格が1バレル=140ドルに迫るなか、サウジのアブドラ国王が呼びかけて開いた。日本からは甘利明経済産業相が出席。米国からはボドマン・エネルギー長官、英国はブラウン首相、需要拡大が続く中国からも習近平国家副主席が参加した。
アブドラ国王は開会式の演説で「原油市場の安定化のために増産する。我々は適切な原油価格を求めている」と強調。途上国を経済支援するため、5億ドル(約535億円)の基金を拠出する考えも明らかにした。
☆サウジアラムコと仏トタル、サウジで大型製油所建設(6・23日経)
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコと仏石油大手トタルは22日、サウジ東岸のジュベイルに日量40万バレルの大型製油所を共同で建設すると発表した。同日に合弁会社の設立契約書に調印した。合弁会社は今年7―9月期に設立し、2012年末に稼働する予定だ。サウジが本格化する設備投資事業の一環で、同国の精製能力が大幅に向上する。
当初の合弁会社の出資比率はアラムコが62.5%、トタルが37.5%。うちアラムコの25%の株式はサウジで公開する予定だ。製油所の投資額は明らかにしていないが、15億ドル(約1600億円)前後になるとみられる。
サウジは22日に開催した産油国と消費国の緊急会合で、将来の生産や精製能力拡大のため、積極投資を約束していた。
サウジアラビアが産油国リーダーとしての責務を果たすかのごとく、大規模増産を決め、早速大型製油所建設を決め、原油精製能力をパワーアップさせました。綿密なシナリオがあらかじめ用意されていたかのような、見事な早業パファーマンスです。
しかし、私が気になったのは、産油国の驚くべきほどの足並みの乱れです。サウジに追随して増産に踏み切ると高らかに宣言した国はいないようですね。
資源ナショナリズム・・・。そう、みんな、自分の国が第一なのです。各国の様々な思惑が入り乱れ、産油国の意思決定が一筋縄に決まることはこの先も望めないでしょう。
サウジアラビアが今回増産に踏み切ったのは、自分の国の繁栄のためでもあるのです。今の原油高は明らかに投機バブル・・・。となると、バブルというものは、遅かれ早かれ、弾けるものです。弾けた時、みなさん、株式バブル崩壊でよーく身に染みたことと思いますが、恐るべき安値まで徹底的に叩かれますよね。
それをサウジは恐れているのでしょう。現に、代替エネルギーの開発意欲が過去に例を見ないほど高まり、このまま画期的な発明がなされた場合、原油は一気に無価値のものへと転落してしまいます。サウジはそれを予見しているから、できれば居心地のよい70ドル位でできるだけながーく、稼げる方が、将来のサウジの繁栄の為にもいいと思っているのです。そして、今、増産により、キャッシュをできるだけ手にして、そのお金を将来の石油に頼らない産業への投資に回し、子孫繁栄を揺るがないものにしようとしているわけですよね。
しかし、他の産油国には違う意見も多々あります。というのも、今、枯渇寸前の原油を無理に掘って、崩壊寸前のドル紙幣に変えて目減りさせるよりも、温存させておく方が得策じゃないかという考えもあるからです。サウジほど埋蔵量に余裕のない産油国は、態度を決めかねるところがほとんどではないでしょうか。
というわけで、今やもう、産油国も一枚岩とは到底言えない不安定な状態です。もちろん、サウジの言うことなんかに耳を貸さない国も続出、返ってライバルとして見ていることと思います。この、サウジの産油国リーダーとしての限界が、後々、ドルペッグ制崩壊への序章のような気がしてならないのですが・・・・。