☆セブン&アイ、農業参入を正式発表(6・19日経)

 セブン&アイ・ホールディングスは19日、農業に参入すると正式に発表した。8月に千葉県富里市で農家と共同で農業生産法人を設立し、3年以内に全国で10カ所に新設する。生産した野菜を傘下のイトーヨーカ堂などで販売し、消費者の安全志向に対応する。一般企業の農業参入では最大規模になる見通しだ。

 富里市では2ヘクタールの農場で栽培を始める。今秋から、大根やキャベツ、ほうれん草など5品目、千葉県内の6店舗を皮切りに売り始める。ヨーカ堂やセブンイレブンから発生する食品ごみを、飼料として自社農場で使うというグループ内の食品リサイクル網もつくる。昨年に施行された改正食品リサイクル法で義務付けられたリサイクル率の向上に弾みをつける狙いもある。


中国有数の農業地域である四川を襲った大地震、そして現在、アイオワやイリノイ州といった米国の穀倉地帯を襲っている大洪水。そういえば、先日、地震の被害を受けた岩手や宮城も日本が誇る大切な米どころでした。

 ほんとうに、シャレにならないぐらい、今、世界的に「食資源」の危機が迫っています。そして、農業というものが、思わぬ天災ですべてが0になる可能性のある高リスクの事業であることも、今回たてつづけに起こった天変地異でより明白になりました。

 こうした中、セブン&アイが満を持して、農業参入を正式発表しましたね。これは、日本の農業政策を変革する第一歩だと思って温かく迎えたいニュースだと思います。なにしろ、小売業が全国規模で展開するのはこれがはじめてですから。

 セブン&アイは傘下のセブンイレブン、そして外食のデニーズにも供給できるスケールメリットがあり、食品ごみをリサイクルするというCSRの観点から合格点をつけれる企業への脱皮も果たせることから、今回の決断に踏み切ったのでしょうね。

 今回セブン&アイが農業参入を決めたのと、このところの三井物産の農業事業強化は無関係ではないと思います。おそらく、セブン&アイは国産志向の高まった消費者のニーズに答えた国内での農業事業のノウハウを蓄積し、最終的に、そのノウハウを中国市場に持ち込む考えだと私は見ています。そうした時、既に中国でエビの養殖事業、ブロイラー事業、鶏卵事業を進めている三井物産とタッグを組むことで、「質」にこだわりを持ち始めた中国新消費者層の支持を得られる公算が高まりますよね。

 さて、ここでおそらくだまっていないのが、やはり、イオンでしょう。ちょうど、三菱商事と丸紅からの出資を受け入れるというニュースが出たばかりです。このライバル商社も今、農業事業を強化する矢先のはず。そして、そうなると、スケールメリットの点からいえば、こちらの方がずっと大きいですよね。なんせ、ダイエー、マックスバリュー、ローソン、ミニストップ、オリジン東秀・・・。と、かなりの数にのぼりますよね。

 さあ、セブン&アイも、イオンも、最終目標は中国市場なのも共通します。生産・加工・販売まで、商社とタッグを組むことにより、すべての工程を自前でこなすことができ、世界の「食」生産でこの2強がかなり有利な立場に立てる可能性が出てきました。政府が「農改革」になかなか踏み出せない今、いち早く民間からこうした変革が起ころうとしています。ますます、面白い展開となってきました。