☆最大手インベブ、「バドワイザー」買収提案 4.9兆円で(6・12日経)

 ベルギーのビール世界最大手インベブは11日、「バドワイザー」などのブランドで知られる世界3位で米最大手のアンハイザー・ブッシュに総額約460億ドル(約4兆9000億円)での買収提案をしたと発表した。成立すれば単純合計で売上高約364億ドル、世界シェア約3割の巨大メーカーとなり、2位の英SABミラーを引き離す。

 インベブはアンハイザーの全株を1株65ドルで取得すると提案した。直近30日の平均株価に35%を上乗せした額に相当する。アンハイザーの取締役会は「提案を精査し、株主利益を最大化する手段を取る」とのコメントを発表した。アンハイザーの大株主には創業一族のほか著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるファンドが名を連ねており、提案を受け入れるかどうかが次の焦点となる。


☆アブダビ政府系ファンド、クライスラービル買収(6・12ブルームバーグ)

 ニューヨークの名所であるクライスラー・ビルがアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビの政府系ファンド(SWF)に約8億ドル(約858億円)で売却される可能性のあることが、関係者の話で11 日までに分かった。

  匿名を条件に明らかにした関係者によれば、アブダビ投資評議会(ADIC)はクライスラー・ビルの大半の所有権獲得に向けて、米不動産会社ティッシュマン・スパイヤー・プロパティーズと米生命保険大手プルデンシャル・ファイナンシャルと交渉を進めている。


 目の玉が飛び出るほどの巨額買収で日本のみならず、世界でも食の分野で大再編が起ころうとしています。そして、米国企業が買収のターゲットになるという、サブプライム問題の前では考えられなかったようなことが起ころうとしています。インベブは2004年8月にベルギーー大手がブラジル大手を買収して誕生。200以上のブランドを傘下に持ち欧州と中南米に強いのです。これから伸びる新興国、東欧と南米にはかなりの伸びしろがあるので、インベブは勢いに乗っているというわけですね。それに対し、アンハイザーは米国で5割近くのシェアを持つとはいえ、節約志向が進み、消費減速が鮮明な米国市場の見通しは暗く、どうやら、この買収提案を受け入れる方向にいくのではないでしょうか。このインベブ、そういえば、最近アサヒビールと提携しましたよね。今後、日本市場にも攻め込んでくるとすれば、脅威ですよね。

 それにしても、米国の看板ともいえる企業や不動産がどんどん、海外の勝ち組に切り崩されていく事例がやけに目につきます。GMの名を冠したビルに続き、クライスラービルまでもが、アブダビ政府系ファンドに売却される可能性のあることがブルームバーグのサイトに出ていました。これは、今の世界情勢をそのまま映したような事例ですよね。原油高ですっかり競争力を失ってしまったアメ車の企業が原油高で膨張しまくった産油国の政府系ファンドにもてあそばれる図式・・・。なんとも、あれほど憧れていたアメリカンドリームが幻想であったかのような、切ない気持ちがしてきます。バドワイザーのあの赤い缶は、ほんとに元気なアメリカのシンボルでもあったですからね。

 今後も、米国の有力企業がどんどん海外の有力企業の傘下入りをする事例がどんどん出てきそうです。そして、世界的な食の再編の波は、どうやら、日本市場にも押し寄せてきそうな予感がしてきました。