「物言う投資家」として日本の企業統治にも影響を与えた米最大の年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)が揺れている。経営幹部が相次いで辞任を表明、投資失敗も表面化した。投資方針の見直しやそれに伴う内部対立が背景とも言われ、市場の関心を呼んでいる。
4月末、ブエンロストロ最高経営責任者(CEO)が突然、退任を表明した。同氏はCEOを6年務めたが、58歳と引退するには若い。その1週間前には、44歳のリード最高投資責任者(CIO)が退任表明。2年前に民間から招かれたばかりだった。5月の理事会で急きょ、暫定CEOを内部選出したものの、正式なCEOが決まらず、想定外の流出の余波が続いている。
☆欧米の年金・運用6社連携、日本企業に改革要求(5・11日経)
米公的年金最大手のカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)など欧米の有力年金や運用会社6社が、日本企業にコーポレートガバナンス(企業統治)の改革を求める提言をまとめ、発表する。導入が広がる買収防衛策に原則、反対の立場を示すことなどが柱。日本企業のガバナンスに不満を強める欧米最大級の投資家が初めて共同歩調を取ることで、企業は何らかの対応を迫られそうだ。
提言にはカルパースのほか、英最大の年金運用会社ハーミーズ、カナダ最大の機関投資家ブリティッシュコロンビア・インベストメントなどが参加。日本株の保有残高は6社合計で2兆円超という。提言は15日前後に発表。同時に投資先の上場企業500社超に送付する。英ハーミーズのシニアアドバイザー、マイケル・コナーズ氏は「提言に真摯(しんし)に向き合わない企業には、今年6月の株主総会で反対票を投じる可能性がある」としている。
このニュースは私の中ではかなり大事件という風に捕らえています。というのも、米最大の年金基金であるという抜群の存在感、さらにこれまでの投資リターンの実績から、この基金の投資戦略が他の多くの公的基金のスタンダードとなっていたからです。
現に、カルパースがその資金を商品市場に振り向けてからというもの、案の定、追随する基金が後を絶たず、商品市場は暴騰してしまいましたよね。
この抜群の企業統治が売りだったカルパースが現在大揺れの状態にあり、これまでの戦略に大きな影響を与えていた幹部が相次ぐ辞任・・・。これは臭いますね。今後のカルパースの戦略の行方によっては、商品市場の乱高下という不測の事態も念頭に置いておく必要がありそうです。
日本企業のコーポレートガバナンスに注文をつける矢先のこのニュース。まずは自社のコーポレートガバナンスの改革が最優先になってきましたね。しかし、このカルパースの資金が日本の株式市場にも既にたくさん流れていることは事実です。今後の戦略がどう動くかによって、日本市場の株価にも影響が出てくるかもしれませんよ。