ソニーは製造コストの安い新タイプの太陽電池を開発した。原材料にシリコンを使わない。半導体技術の代わりに印刷技術の応用で作れ、製造費が現在普及しているシリコン型の5分の1から10分の1になる見通し。安定性を高め、光を電気に替える変換効率で実用化への目安とされる10%を達成した。
開発したのは色素増感太陽電池。この春、スイスの研究者が持つ基本特許が切れた。次世代太陽電池の最有力候補で、国内外で研究開発が盛ん。ソニーが太陽電池を事業化するかどうかは未定だが、新技術を武器に新規参入する可能性が出てきた。
☆シャープ、伊で最大級の太陽光発電・電池パネル工場検討 (5・18日経)
シャープは欧州エネルギー2位のエネルと太陽光発電で提携する。2011年末までにイタリアに世界最大級の太陽光発電所を共同設置し、太陽電池パネル工場の建設も検討する。助成策が充実している欧州のエネルギー大手と組み、クリーンエネルギーの代表格である太陽光発電の普及を加速。発電コスト引き下げにつなげる。
イタリア各地に太陽光発電所を設け、11年末までに計160メガ(メガは100万)ワット強の発電能力を持たせることで合意した。日本の一般家庭換算で約4万世帯の電力を賄う。今後運営形態を詰めるが、太陽光発電では世界最大級となる見通し。
ソニーが太陽電池に参入とはサプライズですよね。現在高シェアを誇るシャープを初めとした企業は相当危機感を強めていることでしょう。増して、今回ソニーが開発したのは原材料にシリコンを使わないため製造コストが最大10分の1にもなる色素増感型。もしもソニーの開発が軌道に乗り電気変換比率をますますパワーアップさせ、市場に普及させることに成功させた時、既存の勢力図はあっという間に覆り、特に薄膜型にシフトしつつもまだまだシリコン型から脱却できていないシャープにとっては計算外のこととなってしまうでしょう。
先日シャープがイタリアでの事業を発表したように、現在欧州の新エネルギー優遇策の強化のうまみを享受するため、どんどん日本企業の海外シフトが進んでいます。住友商事もスペインでの事業を発表しましたよね。
この事業が波に乗ればもちろん言うことはないですが、多額の投資を海外にシフトしたシャープ、仮に、今後、いつも世界の流れから2歩も3歩も遅れる政策を取る日本が新エネルギーへの優遇策を強化した場合、出番を虎視眈々と待っていたソニーなどの後発組が一気にシェアを取りにくる戦国時代に突入する可能性大です。
本当に、新エネルギーがこれからのいちばんの成長産業であり、その要は太陽電池となることは間違いなさそうです。また、太陽電池と自動車に搭載するリチウムイオン電池は全く別のものですが、同じ電池という観点から、電機変換効率の研究などで相乗効果が得られそうです。そして、この技術が将来自動車を動かすことに転用されれば・・・。そこにはすごいビジネスチャンスが眠っていそうです。
とにもかくにも、電池開発競争は業種の枠を超えてこれからいっそう激しくなりそうです。そして、この開発には多額の投資が必要となり、さらにその投資が成功した時の果実はあまりに大きいものとなることから、企業同士がこの分野でタッグを組むことが予想され、それをきっかけにした企業再編がますます現実味を帯びることになるでしょう。