☆中国農業省次官「農業に巨大な損失」・四川大地震、物価上昇も(5・18日経)

 中国農業省の危朝安次官は17日、北京で記者会見し「今回の四川大地震は被災地の農業に巨大な損失を与えた」と述べ、農業生産の回復に全力を挙げる考えを強調した。四川省の農業生産量は全国の約8%を占める。被災地からの農産物の出荷が滞れば、上昇が続く消費者物価指数(CPI)をさらに押し上げかねない。

 四川省は豚の生産量が全国一。年間の出荷量は6000万頭で、全国の1割に達する。農業省によると、今回の地震でこれまでに79万2800頭の豚が死んだ。養豚場や豚肉の加工工場は壊滅的な打撃を受け、豚肉の出荷は事実上ストップしているとみられる。


☆EU、減反政策撤廃へ・食糧高騰に対応(5・18日経)

 世界的な食糧価格の高騰を受け、欧州連合(EU)の欧州委員会は小麦や大麦などの減反政策を完全に撤廃する方針を固めた。穀物類の輸入関税を一律でゼロに据え置く措置も2009年まで延長する。国際的な需要拡大で食糧価格が長期的に高止まると判断。EU域内での供給量の確保に動くとともに、主要国首脳会議(洞爺湖サミット)で生産国に輸出規制の是正を求める。EUの対応は日本など世界各国の農業政策にも影響を与えそうだ。

 欧州委は20日に示すEU農業政策の改革案で、小麦などの生産調整の撤廃を提案する。加盟国や欧州議会の承認を得て、08年中に法整備を進める考えだ。


 恐れていたことがどんどん現実化しつつあります。中国政府が今いちばん怖いのがインフレによる社会不安。このインフラを退治するために経済を冷え込ませる恐れすらある人民元高さえも容認していたのです。

 しかし、いびつなナショナリズムが世界中に蔓延し、食料囲い込みが進む中、このミャンマーと中国の農業地帯を襲った大災害はやはり世界の食糧危機の前兆ともいえる気がします。特に、今回打撃を受けたのが、嗜好品などではなく、人が生きていくために必要な米であり、豚肉であったことがさらなる社会不安を煽りたてること、そしてそれが現政治体制への不満へとつながることは必至です。

 EUが先陣を切り、減反政策の撤廃に向けて動き出しましたが、これをきっかけに日本の農業政策にもメスが入ればいいですよね。恐らく中国は国民の不満を鎮めるためにも莫大な輸入食材確保に今後動き出すとみられます。その際、その他の資源の時と同様、金に糸目はつけないでしょう。日本の更なる買い負けは必至。なんとかしないと、ほんとに大変なことになってしまいます。

 既に中国で農業事業をはじめたアサヒビールなどが、中国の農業復活のために一肌ぬぐといった隠れた救援も期待されますよね。今や、世界は一蓮托生。このボーダレス時代、安易なナショナリズムに捕らわれず、世界が一丸となって助け合わなければ、また、天からしっぺ返しを受けることになりかねません。

 日本のものづくり、「食」の視点からも見直し、農業技術、食料加工技術を今後、新興国に輸出できるほどに改革を進めていってほしいものです。その為には迅速な政府主導の改革が必要なのは言うまでもないことでしょう。