ブラジルのマンテガ財務相は12日、ブラジル企業による海外企業の買収などを支援する目的で、政府系ファンド(SWF)を設立する意向を明らかにした。具体的な支援方法や時期など詳細については明言を避けたが、現地メディアは200億ドル(約2兆900億円)規模と報じた。ブラジルの資源や食品会社は海外企業の買収を加速しており、政府は同ファンドを通じてこうした動きを後押しする。
政府系金融機関の経済社会開発銀行(BNDES)が運営する見通しで、財源は基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字分などで賄う。詳細は近く発表する。
ブラジルでは鉄鉱石世界最大手ヴァーレや国営石油会社ペトロブラスなどが海外企業の買収に積極的。一方、ヴァーレがスイスの同業エクストラータの買収を試みた際に、株式交換による買収手法が「政府の持ち株比率低下につながる」として政府内で反対する意見も出ていた。
☆ブラジルに大規模海底油田?・石油監督官庁長官発言 (4・15日経)
ブラジル石油監督庁(ANP)のリマ長官は14日、同国近海で探査中の海底油田の埋蔵量が330億バレルに上る可能性があると発言した。確認されれば同国の原油・天然ガスの埋蔵量(144億バレル)を大幅に上回る規模。
この発言を巡りサンパウロ証券取引市場では同鉱区の45%の権益を持つペトロブラス株が急騰したが、ANP、ペトロブラスは同日、探査は継続中で、同様の内容は以前にも報道などで紹介されていると指摘した。
ブラジルでは昨年、リオデジャネイロ沖の約200キロメートルの深海で、埋蔵量50億―80億バレルの油田が確認された。リマ長官が14日の講演会で埋蔵量について触れたのは、この油田に隣接する「カリオカ」地区。地元メディアは、もし埋蔵量が確認されれば「過去30年間で最大の発見で、世界3位の規模の油田になる」と報じた。
大規模海底油田でオイルマネーも約束されつつあるブラジルにさらなる追い風です。それはずばり、得意の「農業」です。バイオエタノールの点では以前から注目されていましたが、今回は昔から歴史を積み重ねてきた「農業」全般の価値が見直されてきた、真の追い風といえるでしょう。その広大な土地、温暖な気候から農業大国であったブラジルの本領発揮といえる場面がいよいよ来たのです。食資源の深刻なインフレ懸念が世界中を覆い尽くし、農業に強いブラジルにとっては世界の目を向けさせる絶好の機会となっているのです。大豆、コーヒー、牛肉、鶏肉、オレンジジュースなどの輸出量は世界一を誇り、食糧大国であるブラジルが増え続ける世界の胃袋を満たすのに絶大な貢献をしているわけです。ブラジルのルラ大統領は先月下旬にアフリカのガーナを訪問。農業技術の移転で調印しました。強みの農業を武器にアフリカとの外交を展開するという賢い戦略に出ています。なんといっても、食糧不足は庶民にとっていちばんの不満のタネとなり、政情安定を望む途上国政府にとって、農業の振興は政府の死活問題にもつながってくるのですから。
そんなブラジルへの追い風が止まらない中、その流れに乗ってついに政府系ファンド設立。例えばブラジルは大規模な海底油田はあってもそれを探査する力に乏しい。そして、農業技術はあっても、それを生かしたバイオ技術などには乏しい。となると、それを補うM&Aに邁進することは必至。そして狙われるのはそういう技術を持つ企業。となれば、どこが狙われるかはもうお分かりですよね。ほんとに何事にも油断できない時代となってきましたね。