☆ナフサ、1トン1000ドル突破・アジア市場(5・8日経)
石油化学製品の基礎原料ナフサ(粗製ガソリン)のスポット価格が7日のアジア市場で先週末比62ドル高い1トン1001ドルに上昇し、史上初めて1トン1000ドルを突破した。前年同期に比べ5割高い水準で、国内化学大手はナフサを原料に使う製品の値上げ検討に入った。
ナフサは原油を精製してつくり、足元の原油高が価格を押し上げた。中国や台湾を中心に石化製品が増産され、ナフサ需要が増えていることも価格上昇につながっている。
☆石化製品、カタールで生産へ・合弁製油所増強、出光など追加出資(5・6日経)
出光興産や三井物産など日本企業4社は中東カタールで石油化学製品の生産に乗り出す。カタール国営石油会社(QP)と同国で建設中の合弁製油所の処理能力を2倍に引き上げ、産出するナフサから合成繊維や樹脂原料など石化製品を生産する。総投資額は約1000億円。原油を加工し付加価値を高める産油国に日本企業が協力する動きが広がってきた。
QP取締役で、同社の液化天然ガス(LNG)部門、カタールガス社のファイサル・アルスウェイディ最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞記者と会い、「製油所増強と石化プラントの建設について、2009年初頭の最終投資決定を計画している」と述べた。
製造業が原材料の高騰に苦しめられています。鉄鋼の異常高に続き、ナフサのスポット価格も史上初めての1トン1000ドル突破。ナフサを原料に、重油を燃料に使う化学業界の負担増は特に大きく、今後、大きな戦略転換を迫られることとなるでしょう。
早速、三菱化学・三井化学の合繊原料減産のニュースが飛びこんできましたね。ナフサが高騰する一方、合繊原料は供給過剰で価格が低迷しているのです。サブプライム問題の影響で欧米で衣料品販売が失速し、主生産地である中国で需要が急減したのが大きな痛手となってしまいました。
化学製品には大きく分けて二つの種類があり1つはナフサを原料とする樹脂や合成ゴムなどの一般汎用品、そしてもうひとつは多品種少量生産で付加価値の高い「ファインケミカル」。医薬品、農薬、IT関連製品などがこれに当たります。そして、これからはこのファインケミカルを制した企業が化学業界でも生き残るのだと思うのです。
とはいっても、まだまだ一般汎用品の生産も化学会社の使命としては続行することが必要。それには、このコスト高をどう乗り越えていくかが社運をかけた戦略となってくるでしょう。
そこで、やはり、産油国での生産という道を取る企業がこれからもどんどん出てくるでしょうね。なんといっても、ナフサや天然ガスを安価で調達することが可能になりますから。そして、産油国も自国の雇用確保などの面から石油化学製品の生産を主要産業として根付かせたいという思惑がありますからね。さらに、価格高騰が続く重油から割安な天然ガスに燃料転換する動きが製造業を中心に活発化していることは、天然ガスの宝庫であるカタールにとっては追い風です。日本の有力企業を取り込み、一気に攻勢をかける構えでしょう。しかし、サウジは既に先手を打って、住友化学を取り込んでいますよね。今後の産油国同士の素材産業の奪い合いは熾烈となるでしょうね。
今後、汎用品は産油国で現地大量生産、そしてファインケミカルは国内で技術をブラックボックス化しつつの、少量生産という戦略を取る企業が増えてきそうですね。これは製造業、例えば繊維業界なども同じことがいえます。炭素繊維、アラミド繊維などの高付加価値繊維を制した企業が生き残っていくでしょう。
さあ、北京オリンピックを控え、早く泳げる水着素材を大阪の山本化学工業というところが開発したそうですね。スピード社にも負けない出来とのことで、早速アシックス、ミズノ、デサントなどによる実験が行われるそうです。日本の技術、ここにありというところ、見せてほしいですよね。