トヨタ自動車は11日、インドに完成車組み立て工場を新設すると正式発表した。同国2カ所目の拠点で、投資額は約350億円。年産能力10万台で、2010年に稼働する予定。トヨタのインドでの生産能力は現在の約2.7倍になる。新工場では開発中の低価格小型車を中心に生産、現地販売のほか輸出もする。インドは世界有数の成長市場だが、トヨタのシェアは5%未満。現地生産の拡大で巻き返す。
現地子会社のトヨタ・キルロスカ・モーター(バンガロール市)が小型車「カローラ」などを生産している既存工場の敷地内に第2工場を建設する。新工場を合わせた年産能力は16万台程度となる。一部は輸出する計画で、トヨタがインドから完成車を輸出するのは初めて。新工場では「エントリー・ファミリー・カー(EFC)」と呼ぶ排気量1リットルクラスの小型車を中心に生産する。EFCは80万円程度の販売価格を目指して開発を進めている。
低価格の小型車が売れ筋のインドでは、200万円以上するカローラなどは高級車とされ、トヨタは現地で約5割のシェアを握るスズキなどに後れをとっていた。
☆トヨタと富士重、提携拡大を発表 (4・10日経)
トヨタ自動車と富士重工業は10日、資本・業務提携を拡大すると正式発表した。トヨタが富士重の保有する自社株を買い取り、出資比率を現在の8.7%から16.5%に引き上げる。2社でスポーツ車を共同開発、富士重が自社株売却で得た資金で群馬県に新設する車両工場で生産するなど事業連携も深める。
トヨタと富士重、トヨタ子会社のダイハツ工業の3社で10日、都内で記者会見を開いた。トヨタは公正取引委員会への対応を経て、富士重株を買い取る。
共同開発するスポーツ車は2011年末に市場投入する目標。トヨタは2010年末をめどに富士重に小型車をOEM(相手先ブランドによる生産)供給。ダイハツ工業も富士重の国内販売向けに軽自動車、小型車「クー」をそれぞれOEM供給する。
富士重工への出資拡大の発表からまだ数日。次はインドに新工場のニュース。立て続けに新戦略を打ち出すトヨタ。しかし逆にいえば、環境の激変に立ち向かおうとするトヨタのあせりが見え隠れするニュースでもありますよね。今、世界のトップに君臨する必須条件は、やはり新興国の低価格小型車市場を制することに尽きます。今回のトヨタの戦略はインドで受け入れられ約5割ものシェアを握るスズキへの宣戦布告とも取ることができるのです。
今回の提携のポイントはトヨタと富士重工の小型スポーツカー共同開発。そして富士重工の軽自動車をダイハツへ全面委託するという2点にあると思います。国内市場や中東、ロシアでは斬新なデザインで高付加価値を付ける戦略、新興国では薄利多売の戦略という風に使い分ける必要があります。この薄利多売の戦略の点でダイハツにコスト面で競争力をつけ、来たるべきスズキとの戦争に備える腹づもりかもしれませんね。それから、スズキのセダン参入、ホンダの軽自動車事業強化の動きも、今回トヨタを動かせた理由のひとつにあるかもしれません。富士重工としては自前の技術に相当なプライドがあり、どこかの傘下に実質上入るには抵抗があったことと思います。現に環境規制の厳しい欧州市場にボクサーディーゼルをいち早く投入するなど、きらりと光るエンジン技術には定評がありました。しかし、この環境の激変。国内市場の縮小は目も当てられないほどで、どこかの国の自動車会社に飲み込まれるよりかはと、、自社の技術を評価してくれて、ある程度の独立性を認めてもらえるトヨタの傘下入りを結局は選択することになったわけですね。
しかし、この自動車業界、これからどんなことになるか本当に分かりません。環境技術が多様化した中、いち早く「標準」となるものを開発したところが勝者となるのです。タタ自動車もその圧倒的な財務力から、これから日本市場で部品会社を狙ってくることも考えられます。スズキも外資に狙われるでしょう。今後の再編の動きは注視してみておく必要がありますね。