☆新日鉄・BHP、原料炭価格3倍に・業界コスト1.5兆円増 (4・5日経)
新日本製鉄は豪英系資源大手BHPビリトンと2008年度の鉄鋼原料用石炭(原料炭)の価格を07年度に比べて約3倍に引き上げることで合意する見通しとなった。国内鉄鋼業界のコスト負担は約1兆5000億円増える。鉄鋼大手は自動車メーカーなどに供給する鋼材への価格転嫁を進める考えで、今年度の鋼材価格は過去最高水準に達する公算が大きい。世界の資源高が幅広い業種の企業収益を圧迫し最終製品の値上げを促すことが必至の情勢となってきた。
新日鉄がBHPから調達する原料炭の価格は現行の1トンあたり98ドルから300ドル前後に上がる。値上げは3年ぶりで、近く正式契約する。両社の合意価格は業界標準となっており、JFEスチールや住友金属工業など他の鉄鋼大手も同額で決着する見通し。英豪系リオ・ティントなど他の資源大手との契約も同水準の上げ幅となりそうだ。
☆食品再値上げ、76%が検討・日経調査 (4・4日経)
食品値上げが相次ぐ中、主要食品メーカーの4社に3社が再値上げを検討していることが日本経済新聞社の緊急調査で分かった。パン、即席めん、乳製品などが対象。原料高によるコスト増加分が今期は前期の1.4倍に膨らむため。ただ値上げで販売が落ち込む恐れがある上、小売り現場では割安な自主企画(PB)商品が普及し始めており、再値上げの浸透には時間がかかりそうだ。
非上場を含む飲料、加工食品、製粉など35社に3月末調査し、33社から回答を得た。
食料品の値上がりがひどくなってきて、私たちの実体経済にまで、インフレの波がひたひたと近寄りつつあります。小麦の値上がりで朝食をパンからごはんに変える人が増えてきたみたいですね。今日も近所のスーパーのチラシ、つい先日まで98円だったカップヌードルのセールの値段が118円になってました。なぜだか、株で何万円も損することには疎い人でも、食料品の20円に敏感になるのはどうしてなんでしょうかね。この私もちなみに100円を切らなければカップヌードル、手を出しませんよ。お鍋でぐつぐつ袋めんを煮ます(笑)。
このように食卓の危機が近い将来予想される中、日本経済の根幹を揺るがしかねないインフレのニュースが飛び込んできました。「鉄は国家なり」の我が国産業の要、鉄鋼業界の危機、原料炭暴騰のニュースです。今までさんざん中国やロシアによる資源の囲い込みのニュースは耳にしていましたが、こんな形で、しかもこんなに早く、その影響が出てくるとは・・・。まさに、日本経済の正念場といった感じですよね。
こんな時に、仮に株高でキャッシュフローも潤沢であったなら、対処のしようがあるものの、現在の株安での時価総額の目減り、さらに、追い討ちをかけるように、株持ち合いの相手先の株式下落のための資産劣化・・・。と、悪条件が重なり、キャッシュフローも目づまりを起こしがち。かなりやばい状況であります。
当然、この原料高は供給先の自動車大手への値上げ要求にもつながっていきます。そして、この自動車業界も円高、国内市場縮小により、以前ほどの余裕はなくなり、当然抵抗してくることは必至です。
しかし、値上げをのまず、鉄鋼業界を苦境に立たせることは自動車業界にとっても、得策とはいえません。仮にそのことが原因で鉄鋼業界のうちの何社かでも買収の脅威にさらされたり、事実上の海外脱出で技術が流出したりということが加速すれば、それはそのまま日本の自動車の品質優位性の前提を崩すことになってしまいますからね。
しかし、本当に、物事の流れって恐ろしいですね。一旦流れが決まれば、恐ろしい位にその流れが加速しますね。これからもどんどん、資源の囲い込みは進み、資源のほとんどを国外からの輸入に頼る日本のピンチは続くでしょう。
日銀総裁の空席なんて茶番はもうたくさん。この危機をなんとしてでも官民一体となって乗り切ることが最優先だと思います。