中東の有力な政府系ファンドであるカタール投資庁(QIA)は27日、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系ファンド、国際石油投資会社(IPIC)と合弁で20億ドル(約2000億円)規模の投資ファンドを設立すると表明した。カタールは昨年、UAEドバイとも合弁で投資会社を立ち上げており、主に対外投資でUAEとの関係を強化、情報交換などを進める。
カタール側の声明や一部報道によると、当面はQIA、IPIC双方が各10億ドルを出資して新ファンドを設ける。9月をめどに稼働する。石油関係以外の産業も投資対象にすることで、これまでエネルギー関連投資を専門にしてきたIPICが政府系ファンドとして活動を本格化させる。
☆三菱商事と三菱UFJグループ、1000億円で買収ファンド(3・27日経)
三菱商事と三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は主に国内企業を投資対象とした買収ファンドを設立する。ファンドの資金規模は1000億円で、設立時としては国内最大の大きさ。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した金融市場の混乱で外資系ファンドの活動が停滞するなか、国内勢として投資案件を獲得する好機と判断した。
ファンドは4月中に立ち上げる。三菱商事が全体の49.5%、三菱UFJFGの三菱東京UFJ銀行が同45%、三菱UFJ証券が同4.5%をそれぞれ自己資金で出資。残りを三菱商事と三菱UFJ証券が折半で出資するファンドの運営会社が拠出する。1件当たりの投資金額は100億円から200億円を想定。投資期間は5年前後で、利回りは年率15―20%程度を見込んでいる。
☆丸紅、中堅買収へファンド・上場と転売で投資収益(3・26日経)
丸紅は国内の中堅企業を対象とした買収ファンドを設立した。資金規模は115億円で1年以内に300億円まで拡大する。後継者不在や海外展開に悩む中堅企業から友好的に過半数以上の株式を取得し、企業価値を高めて上場や転売で投資収益を狙う。
ファンドの名称は「アイ・シグマ事業支援ファンド」で、資金の過半は丸紅が拠出し残りを金融機関から集めた。投資対象は(1)年間売上高50億―500億円(2)優れた技術やサービスを持つ(3)ビジネスモデルの成熟で今後の成長戦略が描きにくい企業。全額出資子会社を通じて、4月にも具体的な企業買収を始める。
新たな投資ファンド、それも資金力のある規模の大きな有力ファンドが続々誕生するようです。金融機関、ヘッジファンド、投資ファンド、不動産会社・・・。世界経済が不安定な中、淘汰の波をくぐり抜け、さらに勢力を増していくのは、いつも資金力のある大型組織ですよね。そして、カタールはドバイに続き、アブダビとも合弁でファンドを設立。将来必ず投資案件でライバルとなりうるオイルマネーが合流し、迅速に機動的に結果を出すためにタッグを組むという戦略が明らかになってきました。産油国にも今や欧米のブレーンがしっかりついていて、それぞれの案件に必要なアドバイザー料も高額ですよね。オイルマネーが合流し、ひとつの大型案件に効率よく関わることで、アドバイザー料も節約でき、さらに、活動を本格化させる前段階である中国やロシアに圧倒的な資金力で勝てる可能性が高くなります。まして、産油国も世界経済のきまぐれは既に学習済み。シティーやカーライル系の花形ファンドがあっというまに危機に陥るのを目の当たりにして栄枯盛衰の理を感じ取ったはず。千載一遇のこのチャンスをなんとしてもものにするためにはリスク分散し、タッグを組む方が有利とみたのでしょう。
さらに、国内勢でも、三菱グループの大型買収ファンド、丸紅の事業支援ファンドとどんどん新たなファンドが設立されるようです。サブプライムショックで外資ファンドが資金力でつまずく中、今こそがまたとないチャンスとみたのでしょう。それにしても、とうとう、商社・銀行自らがメインプレーヤーとして市場の活性化を担う時代が来たのですね。以前の中間マージンを抜くだけのビジネスモデルから脱却し、商売上、手中にできた豊富な人脈パイプを武器にできることが強みですよね。
さて、これらの投資ファンドの乱立で、ますます日本企業の争奪戦は激しさを増すことになりそうです。狙う企業はどうしても重なってしまいますからね。今後の展開に興味深々です。