出光興産と三井化学は27日、ベトナムで石油コンビナート建設に向け、クウェートなどの石油会社と合弁会社を設立すると発表した。資本金は約200億円で、出光興産が35.1%、三井化学が4.7%を出資する。建設費用は約5800億円、精製能力は日量20万バレルを見込む。
合弁会社は設立後2年間で装置の基本設計や経済性などを検討し、建設に移行する場合は2013年末の操業を目指す。
出光興産は産油国であるクウェートとベトナムとの関係を強化することで原油の調達を安定させる一方、アジアでの事業拡大を進める方針。三井化学はパラキシレンやベンゼンなどアロマ原料の安定供給を図るため、合弁会社の設立に参加する。
☆クウェート投資庁総裁会見、ドル安受け対米投資を拡充(3/25日経)
資産規模で世界5位の政府系ファンド、クウェート投資庁(KIA)のバデル・アルサアド総裁はクウェートで日本経済新聞と会見し、ドル安で米資産の割安感が強まっているため今後、対米投資を拡充すると表明した。新興国を主な投資先とする基本方針は維持し、現在2100億ドル(約21兆円)以上の資産を10年で2倍に増やす計画も明らかにした。通貨高の欧州や株式相場が軟調な日本に向けた投資には慎重な姿勢をみせた。
同総裁は米国への投資について「しっかりした米資産が値下がりしており投資の好機だ」と指摘。米国では信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題による金融市場の混乱が続いているが、慎重にタイミングを選びながら金融機関、不動産、一般企業などに幅広く投資する意向を示した。
昨日、カタールのインフラ投資のニュースがあったかと思えば、今日はクウェートがらみのニュースが出てきましたね。出光、三井化学といった日本の大手企業と組み、ベトナムという有望新興国で石油コンビナート建設。出資一辺倒だったオイルマネーが実業においても一歩踏み込んだ攻勢をしかけてきました。このように、今後、日本企業の技術力、産油国の資本力・原材料供給能力をコラボさせて、新興国の有望市場へ参入するといったモデルがどんどん出てきそうです。
さらに注目なのがクウェート投資庁による対米投資の拡充のニュース。政府系ファンドを早くも1970年代から設立し、最古参としてのプライドがあるクウェートは孤高の戦略にもためらわない、ある種の大胆さを持っています。いち早くドルペッグ制から離脱し、バスケット通貨へ移行したことにもその個性が表れていますよね。そのクウェートがいよいよバーゲンハンターになるわけです。以前、この総裁はインタビューで、最低40億ドルを米優良企業株の取得に充てると明言していました。さらに、誰も手を出したがらない米国の住宅ローン担保証券(MBS)への投資も検討していると言っていました。
となると、買い手が皆無で値段のつかないこの分野での市場に貴重な買い手が出現するということになりますね。さらに、このビジネスが仮にうまくいきそうだぞ・・・となった時、クウェートにだけおいしいところを持っていかれてたまるかと、カタールやドバイなど、ライバル国もこぞって対米投資に傾き、サブプライムの重苦しい流れが変わってくる可能性も出てくるでしょう。
今回のサブプライムショックでの勝ち組は、この産油国とサブプライム資産を空売りしていた一部のファンドです。この数少ない勝ち組に、なんとかしてもらわなければ、もう、世界経済はがたがたになってしまいます。さらなるドル暴落で自国のドル資産を目減りさせないためにも、今後、産油国は積極的に対米投資にかかわってくるでしょう。そして、一番乗りとして、早々とクウェートが投資宣言。今後の戦略に要注目です。