☆印タタ、M&A戦略加速・投資額累計2兆円に迫る(3・24日経)
インドの大手財閥タタグループが海外M&A(合併・買収)を加速している。傘下の化学大手が米のガラス原料大手の買収を決めたのに続き、英高級車ブランド「ジャガー」と「ランドローバー」を巡る買収交渉も大詰めを迎え、資金調達に動いた。国際企業への脱却を急ぐタタのM&A投資は累計200億ドル(約2兆円)に迫った。
タタ化学は米ゼネラル・ケミカル・インダストリアル・プロダクツ(GCIP、ニュージャージー州)の全株式を10億ドルで取得することでGCIPの既存株主と合意した。ガラスや洗剤の原料となるソーダ灰の年産量は550万トンにほぼ倍増し、タタ化学は世界屈指のメーカーになる。
☆みずほ証券、印タタと提携・共同で投資ファンド(2・15日経)
みずほ証券がインド最大の財閥、タタグループと証券分野で幅広く提携することが14日、明らかになった。同グループの金融子会社と共同でインド企業を対象にした未公開株(プライベートエクイティ)ファンドを設立するほか、富裕層向けの資産運用業務などにも参入。幅広い顧客を抱える同グループと組み、高い経済成長が続くインドでの事業展開の足がかりにする。
みずほ証券とタタグループのタタキャピタルが15日、ムンバイで調印し、発表する。日本の金融機関とインド大手財閥との提携は初めてとみられる。
雨後の筍のようにどんどん増えてくるオイルマネーが原資の政府系ファンド、王族ファンド。これらの組織とは一線を画すように、今、世界のM&A市場で急速にその存在感を高めているのがインドの大手財閥タタグループです。タターグループがすごいのは、なんといっても、産業の全方位に対して布陣を組んでいることでしょう。自動車メーカーのタタ・モーターズ、製鉄会社のタタ・スチール、電力会社のタタ・パワー、ソフトウェア会社のタタ・コンサルタンシー・サービシズと、それぞれの領域で圧倒的パワーを備え、タッグを組んで活動しています。
最近では10万ルピー(約28万円)の超低価格車、ナノの発表で脚光を浴びましたね。このコスト競争力も、傘下に製鉄会社とソフトウェア会社を備えていたからこそ、なしえたものだったと考えられます。
インド経済も今が正念場。頼みの綱のIT業界がアメリカのサブプライムショックで冷え込み、ヤフーインディアが40人の技術者を解雇するなど、暗雲がたちこめた状態です。確かに、今直撃を受けているウォール街の異次元オフィスであった訳ですから、金融アウトソーシング業界がパニックになるのも無理はありません。
だからこそ、 なんとか伸び盛りのインド経済を守らなければと、今、タタの鼻息が荒くなっているのでしょう。M&A投資は累計2兆円にものぼり、まだまだ手綱をゆるめようとはしていません。むしろ、今後もこの戦略をさらなる広範囲の業種に向かって加速させるでしょう。みずほ証券と組んだのも気になりますね。おそらく、日本の疲弊したIT業界にも照準の一端を向けていることでしょう。それから、タタが関心をもっているものに水ビジネスがあります。さらに、大型資金調達で高級車のジャガーとランドローバーを傘下におさめるタタにとって、財閥の命運をかけてもうひとふんばりしたいのがナノの世界展開といった軽自動車事業。この点において、インド市場で圧倒的シェアを誇るスズキの存在はタタにとって目の上のたんこぶでもあり、どうしても欲しい技術を持った獲物でもあります。資金力ではとてもかなわないオイルマネーとのせめぎ合いもある中で、今後、どのようにタタが戦略を進めてくるのか、とっても気になるところです。