国際通貨基金(IMF)のシン西半球局長は17日、ブラジルのサンパウロで講演し、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題による金融危機の深刻化で、金融機関やファンドなどの関連損失が約8000億ドル(約78兆円)に拡大する恐れがあるとの試算結果を示した。
IMFは昨年9月、サブプライム関連損失が最大2000億ドルに膨らむと予想していたが、事態が急速に悪化していることが鮮明になった。米国が景気後退局面を迎えた場合、影響が世界に波及する公算が大きく、米大手金融機関の経営危機など信用不安の高まりも響いているという。
局長は「現時点のサブプライム関連損失は世界全体で2300億ドル」とし、約半分が米金融機関で、残りの大部分が欧州と説明。商業用不動産ローンやクレジットカード債権など他の銀行資産で1000億ドル以上の損失が生じる恐れも指摘した。
米クリントン政権時代に財務長官を務めたシティグループのロバート・ルービン経営執行委員長とハーバード大学のローレンス・サマーズ教授は14日、ワシントン市内で講演し「金融収縮は未知の水域に入った」と危機感を表明し、政府支援の拡大を訴えた。両氏とも公的資金活用の必要性を示唆しており、両氏の提言が民主党や同党大統領候補の政策に取り入れられる可能性がある。
ルービン氏は「あくまでも個人の見解」と断ったうえで「低所得者層が家を失わないためにも(住宅ローン分野に)公的資金を使うべきか検討する段階に入った」と言明した。
サマーズ氏は「米国が景気後退局面に入ったのは明らか」としたうえで、「(金融機関などの)市場仲介者が望もうと望まなくても、私的、公的な方法を問わず、自己資本を緊急に増強する必要が出てきた」と発言。金融機関を支援するべく政府の資金を利用する案を示唆した。
☆中国銀行株香港で一時公募価格割れ (3・18ブルームバーグ)
中国の銀行のなかで米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連投資の規模が最も大きい中国銀行の株価は、 18日の香港市場で一時、初めて公募価格を割り込んだ。同行株は5カ月にわたる下落基調のなかで、時価総額にして840億ドル(約8兆2000億円)相当を失った。
中国銀行株は一時、前日比1.7%安の2.91香港ドルを付けた。2006年6月の新規株式公開(IPO)時の公募価格は2.95香港ドルだった。
中国銀行が持つ79億5000万ドル相当のサブプライム関連資産への懸念を背景に、同行株は昨年11月1日以後、時価総額の40%を失い、英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドを中心とした投資家の利益100億ドルが吹き飛んだ。
CLSAアジア・パシフィック・マーケッツのアナリスト、ドミニク・チャン氏は「中国銀行のリスクは同業他社に比べ格段に高い」が、「市場はまだこの追加リスク分を織り込み終わっていない」と話している。
さて、またまたサブプライム損失の試算が拡大しましたね。ですが、こんな数字を並べたところで、たいした信憑性もなく、ただ空しくなるばかりです。幻の信用市場が崩壊してしまった今、損失は日を追うごとに雪だるま式に膨らむばかり。そして、まだまだ未知なる恐ろしい隠れ損失が世界のいたるところに地雷のごとく息を潜めているはずです。
そんな中、先日サブプライムで多額損失の噂が出た中国銀行株が一時香港市場で公募価格割れという悲惨な状態に陥っています。これは、明らかに中国の変調を物語る象徴的な株価の動きですね。現在、チベット騒乱の余波で共産党の求心力が弱まっているこの時期。土地を奪われた農民以外にもインフレの煽りで一般庶民の物価高に対する不満も高まっています。そして、その次に私が恐れているのが株民の暴動です。自宅を担保に入れて借金をしてまで株にのめり込みこの世の春を味わった株民の中に、このところの株安でどうにもならなくなった人が続出しているはずです。もちろん株式は自己責任が前提ですが、損失を被って頭に血がのぼり、国や証券会社の責任を問う人も中には出てくるでしょう。中国全土に不満分子が渦巻いている感じです。
さらに、インドの失速もかなりのものですよね。世界経済を牽引していた中国とインドがこうなれば、雰囲気が悪くなるのは当然ですよね。日本も世界的なドル売りの煽りを受け、95円まで円高が進み、輸出企業は真っ青ですよね。産油国もドル資産の目減りと国内のインフレでちょっと渋い顔です。
いまやもう、世界経済には国境がありません。米国発のサブプライムウイルスは世界のいたるところにまき散らされ、大変な事態を巻き起こしつつあります。日々、息がつけない展開となってきました。