ソニーは液晶画面などに太陽や照明の光が反射して見にくくなる現象を従来の30分の1程度に抑えることができる反射防止技術を開発した。新世代DVD「ブルーレイ・ディスク(BD)」の製造技術を応用し、液晶パネルなどに使う高機能フィルムを低コストで生産できる。携帯電話やノートパソコン、薄型テレビなどの省電力化にもつながるため、2010年にも実用化を目指す。
ソニーが開発したのは「モスアイ(ガの目)」と呼ばれる極小の突起物を多数並べて、光が反射しないディスプレー用のフィルムを作る技術。
☆シャープ、中国で携帯参入・片山社長「新興国市場で成長」 (3・14日経)
シャープの片山幹雄社長は13日、インタビューに応じ、携帯電話機事業で中国市場に参入する方針を明らかにした。同社は携帯電話機の国内首位で、今後は海外市場の開拓を積極的に進める。液晶テレビ用パネルについては「(堺市の新工場がフル稼働する)2010―11年に世界シェア30%を目指す」と表明。ソニーや東芝との提携を通じて事業を拡大、韓国サムスン電子などに対抗し世界シェア首位を視野に入れる。
携帯電話機事業について片山社長は「中国に進出して海外市場で成長する」と言明。北京五輪商戦前の6月にも販売を始めるとみられる。「中国では液晶テレビAQUOS(アクオス)のブランド力が向上しており携帯電話機との相乗効果が見込める」と判断した。
ソニーがシャープの堺市の液晶パネル工場に1000億円ほど出資し、共同生産するといったニュースが2月の末にありましたね。ソニーはパネルの長期安定調達、シャープは投資負担軽減が約束され、両社とも新たな成長戦略を描く余裕が生まれるという双方にメリットがある提携でしたね。
さて、ここにきて両社の戦略を示すニュースがいくつか出てきました。シャープは今後も液晶パネルの外販を強化します。東芝にもソニーにもそして、韓国のLGにも供給することが決まりました。しかしこれは、逆にいえば、消費者にとっては、どのメーカーのものを買ってもたいした違いはなくなるんだなぁということになります。
そこで、各メーカーにとって必要になるのが付加価値。ソニーはそこを突いてきたようですね。ブルーレイ・ディスクの技術を応用して、液晶の光反射を抑制し、省電力にもつながる高機能フィルムを開発しました。
このニュースを見て私は「ソニー恐るべし!」と思いました。まず、技術のソニーが復活したこと。それから、いつのまにか相手のふところに入る戦略が鮮やかだからです。最初はシャープからパネルを調達するというだけの提携だったもののが、出資・共同生産へと移り、最後の最後には、シャープを自社の高機能フィルムの得意先にまでしてしまうのではないかと予想するからです。
しかし、シャープも負けてはいません。どうやらちゃんと独自の戦略を持っているようですね。最初、私は、液晶パネルの値崩れがすさまじい中、2つ目の工場を建てるというニュースを聞いた時、技術のシャープからただのパネル屋さんになってしまうのかと心配しました。しかし、どうやら今度の社長、危機管理能力はありそうですね。ソニーと共同生産することで、投資負担を軽減し、ちゃんと新たな成長戦略へと舵を切っています。
そのひとつが太陽電池事業の強化。そして、新しく飛び込んできたニュースがこの中国での携帯事業参入です。もう、すでにノキアなど欧米勢が圧倒的シェアを確保する中、新たに参入するのは難しく、三洋から携帯事業を買収した京セラまでもが攻勢に動くのかと思いきや、あっけなく撤退してしまったのは記憶に新しいところです。
しかし、私はこの事業、戦略を確かにして、一発当たった時、すごいビジネスになる可能性を秘めていると考えます。今は、中国に暗雲が立ち込めて心配な状況ですが、長い目で見た時、購買力のある中産階級の厚みが膨らむ中国の高機能携帯市場は有望です。まして、アクオスという鉄板ブランドは威力ありますからね。
同床異夢・・・。それぞれがそれぞれの思惑で戦略に磨きをかける。ソニーとシャープの今後の戦略から目が離せません。