金融庁は14日、一時国有化中の足利銀行を野村ホールディングス傘下の投資会社を中心とする「野村グループ」に譲渡する方針を固めた。受け皿候補には二つの陣営が残っていたが、同庁はより高い譲り受け価格を提示した野村側を評価した。提示価格は1100億円強のもよう。足利銀は債務超過状態で、株式譲渡益を得ても国にはなお1000億円規模の負担が生じる。大半は預金保険機構の資金拠出でまかなえるため、税金の投入は回避できる見通しだ。
金融庁は近く野村グループと正式な株式の譲渡契約を結ぶ。足利銀は7月にも民間銀行として再出発する。野村グループは野村信託銀行に加え、地銀経営にも参入することで、銀行と証券を融合した総合的な金融サービスを加速する。
群馬県の第二地方銀行、東和銀行は14日、不良債権処理を加速するため、米証券大手リーマン・ブラザーズグループと提携すると正式発表した。東和銀の子会社が米リーマンを引受先として46億円の優先株を発行する。米リーマンが地銀の不良債権処理を支援するのは珍しい。
不良債権処理の専門子会社、東和フェニックス(前橋市、関原朗社長)に約200億円の不良債権を移管。米リーマンから企業再生や債権回収の経験豊富な人材を受け入れ、リーマンの資金を原資に処理を進める。
東和銀の不良債権比率(昨年12月末時点、金融再生法開示債権ベース)は8.93%。銀行本体でも最終処理や企業再生を集中的に実施し、2010年3月期までに同比率を5.48%に改善させる計画だ。
今、世間を騒がせているのが新銀行東京のずさんな経営実態ですよね。この問題がここまで大きくなったのは、他でもない、中小企業の疲弊につきると思います。世界経済を狂わせたサブプライム問題、国内に目を向ければ改正建築基準法、改正貸金業法と、中小企業を追いつめる政策ばかりが施行されました。そして、その中小企業に主に融資を行ってきたのが地元の信金や地銀だったわけです。きらりと光る技術がありながら、資金ショートで追い詰められ、外資にこっそり買われてしまった中小企業も潜在的にたくさんあると思われます。
そうした中、地銀をとりまく環境はとりわけ厳しくなっています。ゆうちょ銀行やセブン銀行といった全国津々浦々に店舗網を張り巡らせた新銀行が台頭し、競争が激しくなる中、体力の弱った銀行ほどサブプライム関連の有価証券運用に走ったとも思われ、今後の損失の膨張が気にかかるところです。
今回地銀に触手を伸ばした有力金融グループは、実は地銀のライバルと関係が深いのです。野村ホールディングスはゆうちょ銀行と関係を強化していますし、実は高い技術を持った中小企業を狙っているアブダビなどへのアドバイザー業務も大きなビジネスとなっています。中小企業に密着し、技術開発、技術移転と持ち込む青写真を描いているともいえます。
それから、おいしい案件には鼻がききそうなリーマンが解体を余儀なくされた東和銀行と提携しました。このように、不良債権に押しつぶされ、邦銀で受け皿となってくれるところもない弱体化した銀行は、今や、投資ファンドしか頼る所がなくなっているように見受けられます。新銀行東京もこの道に進む可能性は大きいですね。
今回、足利銀行を巡って野村陣営に対抗し、敗北したのが有力地銀連合だったことは皮肉ですよね。今後、ますます、地銀を巡る金融再編は激しくなってくると思われます。