☆イオン、CFSに副社長を派遣・石田社長は取締役も退任へ     (3・12日経NET)

 イオンは11日、発行済み株式の15%を保有するドラッグストア大手、CFSコーポレーションの取締役副社長としてイオンの役員級を派遣する方針を固めた。CFS側はこれを受け入れ、石田健二会長兼社長は社長職だけでなく取締役も退く見通し。業績不振のCFSは経営再建を狙って調剤薬局大手のアインファーマシーズと経営統合を目指したが、イオンの反対で統合撤回に追い込まれた。今回の首脳人事により、CFSの再建をイオンが主導する体制が鮮明になった。

 CFSはすでに、経営統合を進めようとした会長兼社長の石田健二氏が社長を退き、後任に同氏の子息、石田岳彦副社長が昇格する人事を固めていた。健二氏の処遇が焦点だったが、取締役にも残らず名誉会長に就く案が有力となっている。


 イオンがこのところ、ようやく拡大路線を修正し、グループの結束強化に乗り出しました。この何年かは飛ぶ鳥を落とす勢いでM&Aを繰り返し、グループ企業を増やし続けていましたが、その分ひずみも大きくなり、到る所で綻びが目立ち始めていました。売上成長より収益性の向上を重視する戦略にシフトし、規模の大きい一部の総合スーパーは直営部分を縮小し、外部テナントに賃貸することも検討するとのことです。私はイオンの衣料品部門がその対象になるような気がします。例えば私がよく行くイオンモールを例にとっても、テナントの衣料品ショップへほとんどの人が直行して、イオンの衣料品売り場はあまり誰も寄りついていないですからね。

 それにしても、イオンの成長軌道にストップをかけたのはあまりにも激しい外部環境の変化に他なりません。食料品にしても、あまりにもすさまじい原料高により、あれだけ頑なに拒み続けた値上げをとうとう受け入れざるを得ない状況に追い込まれています。それから成長の波に乗っていたイオンモール、イオンファンタジーは、これまたガソリン高で庶民が外出を控えたこと、車で遠出をしなくなったことが追い打ちをかけてジリ貧状態に陥ってしまいました。これらはほとんど郊外の広い土地で展開するビジネスモデルですからね。ただ、それだけではなく、イオンモールでは改正建築基準法による認可の遅れで、新規物件の出店計画が大幅にずれ込むという誤算がありました。イオンファンタジーではゲームセンター事業が任天堂のWiiなどの家庭ゲーム機に浸食される誤算があったようです。また、傘下のダイエーも復活が緩慢ですからね。庶民の生活防衛によるお財布の引き締めも痛いですよね。

 事業の選別も加速し、非中核の事業は再編・統合を進める方針のようですが、特に力を入れるのがアジア地域でのデベロッパー事業のようですね。確かに、新消費者層が続々と誕生するアジアでは、国内ではジリ貧のスーパー事業さえ、大きなビジネスとなりそうです。しかし、ヤオハンの例のように、常にカントリーリスクというものは存在しますよね。リスク管理を徹底して慎重に成長路線を描くべきだと思います。特に中国では・・・。

 それから最後にドラッグストア事業。これから再編の嵐が吹き荒れそうなこの業界。イオンもグループの結束力をなんとしてでも高めたかった。そこに、グループの存在意義を揺るがすような一連のCFSとの確執。ゆるやかだった出資比率を高め、ついには副社長も送り込むこととなりました。今後はイオンによる再建が進み、最終的にはグループ内で統合させるようですね。今回のことはイオン連合の他のドラッグストアへの見せしめの意味も含んでいそうです。確かに、イオンの傘下にいて何のメリットも感じないオーナーはたくさんいるようですからね。

 あまりにも巨大になりすぎ、自信があせりに変わってきた最近のイオン。今後の戦略から目が離せません。