米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)をきっかけとした信用収縮が高格付け証券にも波及している。住宅ローン証券の流通市場では最も安全とされる「トリプルA」格付けを持つ証券の価格が2月以降、史上最低の水準まで急落。ヘッジファンドなどが金融機関からの融資返済要求に応じるため資産切り売りを始めているためだ。「優良ローン」の価格低下で、より多くの投資家に損失が広がる恐れがある。
市場関係者によると、信用力の高い高格付けの米住宅ローン担保証券(RMBS)などトリプルA格の証券の価格が流通市場で元本の40%超にまで下落している。
☆米年金基金、商品に軸足・ドル安の影響警戒(3・8日経NET)
カリフォルニア州、ペンシルベニア州など米国の公的年金基金が金、原油など国際商品への資産配分を相次いで拡大している。ドル安の加速で米国株などドル建て資産の目減りを警戒しているためだ。ニューヨーク市場では原油と金が最高値圏で推移。ヘッジファンドに加え、投資期間が長い年金資金の参入が商品高騰を支える構図が鮮明になってきた。
米最大の年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は総資産の60%を占める株式を2―3年かけて56%に下げ、代わりに原油、金などの国際商品や不動産の比率を高める方針だ。国際商品への投資額は最大で72億ドルと直近の16倍に拡大する。
アメリカ全土を恐怖が支配しています。悪循環ここに極まれり・・・といった感じですね。いちばんの問題は「信用収縮」につきるでしょう。すべての金融商品に対しての疑心暗鬼が蔓延し、その妄想が現実のものへと進化しているのです。サブプライム問題というものは、もともと貸してはいけなかった相手に悪質ブローカーを通したりして融資を行ってしまったことに原因があったはずです。ですからサブプライムバブルという名の砂上の楼閣が崩れ去った今、その市場が崩れてしまうことは仕方のないことかもしれません。しかし今や、それを通り越して、信用収縮が住宅ローン証券の流通市場では最も安全とされる「トリプルA」格付けを持つ証券にまで及んできたのですから、これはもう只事ではありません。健全な証券までもが急落している原因は、追い詰められた投資ファンドによる資産投げ売りだそうです。この勝ち組有力ファンドの苦境については昨日既に取り上げました。自己防衛で精一杯の銀行団が手の平を返したように、厳しい融資回収に動き出したのです。6日には米最強ファンド、カーライル傘下のファンドまでもが融資を返せず、銀行が担保にとっていた米住宅ローン担保証券(RMBS)を差し押さえました。そして、米最大の年金基金、カルパースの動向が今後の脅威となってきます。というのは、このカルパースが他ならぬ、カーライルグループの大口出資者だからです。最近の商品価格の値上がりも、このカルパースの影響があったものと思われます。そして、もしもこのカルパースがリスク回避のためにカーライルへの出資比率を下げた場合、さらなるパニックが起こる恐れがあります。
サブプライムローンの残高1兆円に対し米住宅ローン全体の規模は約10兆ドル。また、政府系金融機関の保証がついたRMBSなどは世界中の投資家が運用資産に組み入れています。ドル安も止まらず、今まさに、アメリカは自信をなくし、自国のドルからも逃避しようとしています。そしてパニックを全世界に輸出しようとしています。
カーライルもカルパースも米政府とのコネクションは強いです。バーナンキさんもお手上げ状態の中、官民がタッグを組んで、この危機を乗り切る勇気、自信を取り戻してほしいものです。