☆セブン銀行が上場、ATMに続く収益源が課題(3・1日経NET)
セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン銀行が29日、ジャスダック証券取引所に上場した。ATM事業に特化した独自のビジネスモデルでいち早く高収益体質を築き、新規参入銀行のなかでは突出している。だが、グループ店舗へのATMの設置は昨年までにほぼ完了しており、今後の成長性をどう描くかが問われる。
セブン銀の29日の終値は売り出し価格(14万円)を24%上回る17万4000円。今年に入って新規上場銘柄の株価が低迷するなか、投資家からの高い期待を示した。同日の上場記者会見で安斎隆社長は「これでようやく一人前。世間の目に触れることで、より規律の高い経営ができる」と述べた。2000年以降に開業した新規銀行では、ソニー銀行の親会社が上場しているが、単体での上場は初めて。
セブン銀行という独特のビジネスモデルを確立した新銀行がいよいよ上場。抜群の集客力を誇るセブンイレブンがセブン銀行の店舗となる為、インフラが既に出来上がっている状態です。既に提携金融機関は昨年9月末の時点で554社に達し、13000台以上のATM網を展開しています。後はどれだけの成長性を描けるかがさらなる飛躍へのポイントとなります。なにしろ、ローソンとゆうちょ銀行という巨大タッグで先手を打たれてしまいましたから、セブン銀行としても、さらなる提携金融機関を模索している段階だと思われます。相手候補としてはゆうちょ銀行に対抗意識メラメラの有力地銀、そして、面白そうなのがメガバンクの傘下に入った消費者金融です。消費者金融の羽振りが良かった時期は、高い地代を払い、到る所に無人ATMを設置していましたが、今の消費者金融、そしてそれを支えるメガバンクには、もうそれだけの余力はありません。コスト削減で生き残る道を模索している状態です。ましてメガバンクのお堅そうな店舗の片隅に消費者金融のATMを設置する訳にもいきませんしね(笑)。
それから、ATMの設置をほぼ完了してしまったセブン銀行にはコンビニ以外へのATM設置という宿題が残されています。駅やホテル、病院、空港、そして競馬場なんてどうでしょうか。他に証券会社や銀行のATMをセブン銀行のATMに置き換えるという手法も使い、さらなる成長性を求めることが必要ですよね。
ただ、リスクの点として、これだけのATMを展開するには中に補充する多額のキャッシュが必要になること。そして、CSR(社会的責任)を重視するセブンイレブンの系列として、社会的反発の強い消費者金融との提携、競馬場へのATM設置などが企業倫理と照らし合わせ、却下されることも考えられます。
波に乗るネット銀行群、ライバルのローソン・ゆうちょ銀行を打ち負かす、あっというような戦略がこの先、期待されます。そして、この銀行の新たな本格参戦により、またまた金融界の地殻変動が再燃しそうな気配が漂ってきました。