☆三井不動産、JT系のREIT運用会社を買収 (2・19日経)

 三井不動産は18日、日本たばこ産業(JT)系の不動産投資信託(REIT)運用会社「フロンティア・リート・マネジメント(FRM)」を買収すると発表した。FRMが運用するフロンティア不動産投資法人を事実上傘下に収める。同投資法人の第三者割当増資に応じる形で96億円を出資し、商業施設などの物件を供給していく。

 三井不はJTから3月24日付でFRMの全株を取得する。取得額は未公表だが、5億円前後とみられる。FRMの社名を「三井不動産フロンティアリートマネジメント」に変更し、4人の取締役を派遣する。

 三井不は自前の運用会社と投資法人を設立し、商業施設型REITの上場を目指してきたが、市況の悪化もあり、基盤と実績のある運用会社を買収した方が得策と判断した。自前の運用会社と投資法人は解散する。


☆モルガン、東京のシティバンク銀本店ビル購入(2・19日経)

 米モルガン・スタンレーが傘下の不動産ファンドを通じ、米シティグループが保有する東京・天王洲の大型オフィスビル「シティグループセンター」を約480億円で購入したことが18日わかった。シティは保有資産の圧縮をめざして昨年から同ビルの売却を検討。日本の不動産市況の先行きを依然として強気にみるモルガンへの売却を決めた。

 同ビルは22階建てで、シティが1992年に建設した。シティバンク銀行が本店を置き、同銀行の個人金融部門などが入居している。シティは売却後もモルガンからオフィスを賃借し、同ビルで営業を続ける見込み。


 少し前までは圧倒的な勝ち組だった企業が歯車の逆回転であっという間に負け組へと転落し、資産圧縮や今後の成長分野への投資資金確保のために不動産を勝ち組企業へと売却する動きが出てきましたね。

 JTが虎の子の不動産を抱えたREITを売却するという記事には驚きました。農薬餃子事件で食品業界のメジャーになるという野望が打ち砕かれ、今回のREIT売却もこの問題と無関係とはいえないでしょう。タバコという儲かるビジネスで豊富な手元流動性を駆使して海外のM&Aにも積極的なJTでしたが、あらゆる戦略の見直しに動いている様子が垣間見えます。

 サブプライム問題で深い傷を負ったシティーは比較的傷の浅かったモルガンへ本店ビルを売却。プライドをかなぐり捨て、再建へと本腰をいれる姿が浮き彫りとなりました。このビルを購入したのはモルガンが年金や個人資金を集めてドイツで運用する不動産ファンドとのこと。欧米やアジアで中長期に安定的な利回りが期待できる優良不動産を中心に投資を進めているとのことです。今月「ウエスティンホテル東京」をシンガポール政府投資公社(GIC)に約770億円で売却することを決めたモルガン。今回の購入はまだまだモルガンが日本の不動産市況を有望とみている証だといえます。少しでも投資効率のいい物件を揃えようと保有物件の入れ替えも積極的に進めていくようですね。

 東芝や不二家が銀座のビルを手放したように、本業で生き残っていくために、虎の子の不動産を企業が売却する例が今後もどんどん出てくるでしょう。特に、歯車の逆回転で疲弊した負け組企業でこういう例が相次ぐでしょう。もちろん買いに回るのは勝ち組企業。経済界の弱肉強食が目に見える形になりつつあります。