☆シャープと東京エレクトロン、太陽電池で提携(2・18日経NET)

 シャープと東京エレクトロンは太陽電池事業で提携する。今春をめどに共同出資で新会社を設立し、太陽電池の製造装置を共同開発する。太陽電池は世界市場が急拡大する一方、欧州や中国メーカーとの競争が激化している。シャープは半導体製造装置で世界2位の東京エレクトロンと組むことで効率的な生産体制を築き、海外勢に対抗する。

 新会社の資本金は1億円前後で、東京エレクトロンが約6割、シャープが約4割を出資する。東京エレクトロンの山梨県韮崎市の開発・生産拠点で、シリコン使用量が少ない「薄膜型」と呼ばれる太陽電池向けの製造装置を開発する。


☆シャープ、太陽電池工場に220億円投資(11・29日経NET)

 シャープは29日、太陽電池の主力拠点の葛城工場(奈良県葛城市)に220億円を投じ、シリコンの使用量を従来の100分の1に節約できる「薄膜型」と呼ばれる新型太陽電池の生産能力を現在の10倍に引き上げると発表した。太陽電池材料のシリコンは需給が逼迫(ひっぱく)しており、市況に左右されずに増産できる体制づくりを急ぐ。

 同社の太陽電池の生産能力は現在、年間710メガ(メガは100万)ワットで薄膜型は15メガワット程度。新設備を導入して、生産能力を2008年10月に10倍の年産160メガワットに増強する。薄膜型はガラス基板にシリコンの薄膜を積層して製造する。

 シャープは太陽電池で世界シェアの2割弱を握る首位メーカーだが、独Qセルズなど海外企業の猛追を受けている。09年度に稼働する堺市の液晶パネルの新工場に薄膜型太陽電池工場を併設することも決めている。


 シャープの重点分野としては液晶テレビ事業、そして今回取り上げる太陽電池事業がありますが、そのどちらも技術面、価格面の両面からライバルの猛迫を受けているのが現状です。この世界、今いくらトップシェアを誇り、王者に君臨していようとも、風向きが変わり、革新的な技術が開発され、標準規格を奪われると、昨日の東芝の例のように、莫大な撤退費用と共に新たな成長分野へと舵を切らなければ生き残っていけないのです。

 しかし、気になるのはこのところのあまりに莫大な設備投資ですよね。液晶に関していえば、亀山工場に続き堺市にも工場を建設、そしてその間に驚くほどのスピードで液晶テレビ自体の価格破壊、さらにサブプライム問題により最大の消費国アメリカの需要が落ち込みました。

 シャープに求められるのはリスク管理です。さらなる高技術の新製品が市場で受け入れられた時、このところの設備過大投資が自社の首をしめることになりかねません。

 今回の東京エレクトロンとの太陽電池における事業提携もそのリスク管理の一環といえるでしょう。お互いの強い面を融通し合うという、今、電機業界で起こっている変革が太陽電池の世界でも起こっている表れです。

 この太陽電池事業、未来産業としては1・2を争う有望分野なだけに、今、ライバルが続出し、さらに産油国のオイルマネーの強力なバックアップにより、技術開発の勢いがものすごいんです。圧倒的世界シェアを誇るシャープといえども、スライスしたシリコンを使う結晶型はシリコンの値上がり、供給不足というリスクに脅かされています。シリコンの使用量が少なくてすむ「薄膜型」に今後力を入れるようですが、シリコンを全く使わないものも開発されつつあり、低価格、量産化の面でこの新技術がシェアを奪うようなことになれば、シャープは一気に窮地に追い込まれる恐れもあります。この太陽電池事業、有望なだけに実は標準規格を取れなかった場合のリスクも非常に高いものとなりつつあります。ですから、今後も各技術で強みを持つ企業同士がタッグを組んで、技術を向上させ、低価格、量産化にめどをつけ、産油国へのセールスに成功することが標準を取る最大の近道でもあるのです。

 ライバルとしては、シリコンを使わず銅などの化合物を使う次世代型に昭和シェル、ホンダなど異業種組が参入、さらにあのグーグルまでもが、自社のデータセンターなどに太陽光発電を取り入れています。ゆくゆくはこの分野にビジネスとして参入する日も近いのではないでしょうか。この事業も戦国時代をこれから迎えるのでしょう。この究極の環境事業、これから要注目の分野です。