富士フイルムホールディングスは13日、東証一部上場の新薬メーカー、富山化学工業を買収すると正式発表した。19日から1株880円でTOB(株式公開買い付け)を開始。期間中に富山化学が富士フイルム、大正製薬を割当先とする第三者割当増資を実施する。富士フイルムは富山化学を子会社化し、医薬事業に本格参入する。
富山化学もTOBへの賛同を表明した。TOB期間は19日―3月18日。買い付け価格には過去3カ月間の終値平均で26.2%のプレミアム(上乗せ分)を付けた。取得株数は上限を設けず、7319万株を下限とする。買い付け額は最低で644億円。
第三者割当増資は28日付で富士フイルムが約198億円、大正製薬が約102億円を引き受ける。富山化学は7月をメドに臨時株主総会を開き少数株主から株式を取得する。東京証券取引所は13日、富山化学の株式の売買を一時停止すると発表。同時に監理銘柄に指定した。
昨日の今日ですよ。この矢継ぎ早の買収劇にびっくりです。それもまた大正製薬が一枚噛んでいますね。昨日大正製薬がビオフェルミン製薬をTOBしたことを取り上げましたが今日はその大正製薬が22%出資している富山化学に異業種の富士フィルムがTOB。この発表も富士フィルムの好決算のすぐ後というタイミング。鮮やかな戦略だと思います。富士フィルムは写真をより美しく表現するために主原料のコラーゲンを長年研究してきた過程で人と全く同じコラーゲンを培養することに成功し、その技術、ナノテクノロジーを駆使して化粧品業界、医薬品業界へ本格参入しようとしています。その足掛かりとして、富山化学の持つ創薬技術がどうしても欲しかったのでしょう。圧倒的な富士フィルムの資本力に大正製薬の持つ生薬配合の技術、富山化学の新薬開発力が強力にタイアップすれば、製薬業界の台風の目となることも考えられ、専業大手にとっても脅威となるかもしれませんね。特に資本力の制約で思うように成果の出せていなかった鳥インフルエンザ治療薬開発が三社のタッグで成功すれば、思わぬドル箱になる可能性もあります。なにしろ、タミフルが効かない新型ワクチンの開発では富山化学、いい線いってますからね。キリンビールが協和発酵を買収した例に続き、またまた異業種大手からの中堅製薬買収。これで業界再編はますます加速しそうな雰囲気です。今後の製薬業界の行方に大注目です!