大正製薬は12日、大証1部上場のビオフェルミン製薬を買収すると発表した。13日からTOB(株式公開買い付け)を実施、最大で発行済み株式の62.0%を取得して子会社化する。買収額は最大272億円。乳酸菌技術を持つビオフェルミンを傘下に収め、自社の医薬品や健康食品の開発に役立てる。
買い付け価格は1株3620円で、8日の直近終値を約23%上回る水準。TOB期間は3月11日までの20営業日で、最大753万5500株を取得する。TOB後もビオフェルミン製薬は大証1部への上場を維持する。
☆興和、大衆薬を直販・小売りへの営業強化(1・29日経)
興和は主力の1つである大衆薬事業で4月から、ドラッグストアなど主要取引先小売業に商品を供給する際、卸を通さない直接販売方式を本格的に導入する。現在は一部製品に限定しているが、すべての大衆薬を対象に順次、取引形態を切り替える。小売業に自ら販促策を積極提案し、拡販につなげる。現在、約20の卸と取引があり反発も予想されるが、直販の利点の方が大きいと判断した。
大衆薬を扱う約400の国内製薬会社のうち、大正製薬やエスエス製薬など1割程度がすでに直販方式を取り入れている。ただ、卸経由から移行するのは珍しいという。
さて、製薬業界、生き残りをかけて大きく動き出しましたね。大衆製薬の戦略はかなり評価できると思います。
というのは、ピンポイントで強いブランドを育てていっているからです。たとえば栄養ドリンクのリポビタン、風邪薬のパブロン、育毛剤のリアップなど、どれも高シェアを誇るブランドをピンポイントで展開していますよね。そして自社のラインアップにない高シェアを誇るブランドは資本力にまかせて傘下に収める。今回の乳酸菌事業で知名度のあるビオフェルミンへのTOBでよりその方向性が明確になりました。少し前では養命酒という老舗ブランドを傘下に収めましたよね。大衆薬市場が縮小傾向にある中、今後の再編は必至の状況です。そんな中、生き残るためには企業価値を上げる努力が必要となります。そこで大正製薬に限らず各社がこぞって参入しているのが健康食品市場ですよね。ただ、この分野も小林製薬などライバル企業をはじめ、食品会社、飲料会社、乳業会社、化粧品会社など、あらゆる業種からの参入がありますのでこの中で勝ち残るのは至難の業です。そこで、今回傘下に収めたブランド力がものをいうのです。大正製薬はこの他にも伊勢丹と組んで健康飲料の開発を進めるなど、かなり積極的に動いています。今後の展開に要注目です。
そして、最近の記事で気になったものがもうひとつ。非上場の有力企業、興和の動きです。この会社も大衆薬の有力ブランドを多数抱えています。キャベジン、キューピーコーワゴールド、コルゲン、パンテリンといえばおなじみですよね。この企業が卸経由から直接販売方式に切り替えるとのこと。これは今後の拡販に向けて自社主導で積極策をとる意志の表れとみることができます。この会社も優良不動産を多く抱え圧倒的財務力を誇る企業です。大正製薬のライバルとなることでしょう。それぞれの企業がそれぞれの戦略でぶつかり合う大衆薬業界、熾烈な再編の波はもうすぐ近くまで来ています。