シンガポール政府投資公社(GIC)が日本の不動産投資信託(REIT)への投資を加速している。REITの投資口(株式会社の株式に相当)価格が急落し、割安になっているためだ。ウェスティンホテル東京(東京・目黒)の買収に乗り出すなど実物不動産の取得にも積極的。日本の不動産市場での存在感が増している。
GICが関東財務局に提出した大量保有報告書で、東京建物系の日本プライムリアルティ投資法人の投資口を5%保有していることが明らかになった。同投資法人の関係者は「純投資と聞いている。大手を中心にほかのREITにも前向きに投資しているようだ」と語る。
☆シンガポール系不動産ファンド、都内マンション18棟取得(11・13日経)
シンガポールに本拠を置く東南アジア最大の不動産会社キャピタランド系のアスコット・レジデンス・トラストは12日、東京都内の賃貸マンション18棟(509戸)を計122億円で取得したと発表した。物件はアスコット・グループと三菱地所の共同出資会社であるアスコット・インターナショナル・マネジメント・ジャパンが管理する。
同トラストが取得したのは「ゼスティ」「ジョイシティ」など4ブランドで展開する賃貸マンション。賃貸収入による利回りは2008年に4.1%と想定している。
今回の取得物件は新宿、渋谷、世田谷、文京区など都内8区にあり、総賃貸面積は1万3318平方メートル。新たな不動産取得で同トラストの資産は7カ国10都市の36物件で約13億4000万シンガポールドル(約1470億円)になり、日本の資産の割合は全体の11%から21%に上昇する。
☆不動産投信、不動産取得額32%減・07年(2・7日経)
不動産投資信託(REIT)の不動産取得が減少している。2007年の物件取得額は前年比32%減の1兆4600億円だった。都市部の優良物件の価格高騰で取得にブレーキがかかった一方、信用収縮による資金調達難も影響した。主要な買い手であるREITの不動産取得に減速感が出たことは、上昇してきた都市部の不動産価格にも影響を与えそうだ。
みずほ信託銀行系のシンクタンク都市未来総合研究所が速報値をまとめた。REITの物件取得数は21%減の435件だった。取得額、件数ともに減少するのは市場創設2年目の02年以来、5年ぶりとなる。
シンガポール、かなり日本の不動産に本気出してきました。最近元気のないREIT市場への投資も加速させています。先日のウェスティンホテル東京の買収でにわかに脚光を浴びた感じですが、民間会社がちゃっかりと去年の11月に都内のマンションを18棟も取得するなど、かなり精力的に動き出していますね。 REITではプライムの他、日本リテールにも投資し、投資比率も増加させているようです。投資口価格の最近の値下がりで急速に利回りなどを考慮した投資妙味が出てきたことも一因でしょう。
金融不安の高まりからREIT市場から多額のマネーが流れ出し、REITの中でも特に中小のところが今悲鳴をあげています。サブプライムで疲弊した金融機関がREITへの融資も絞っています。特に信用度の低い中小REITへの風当たりは相当なものでしょう。キャッシュが思うように回らず、都市部の優良物件はとても手が出ない状態。さすがにここまでREITが乱立していると、この状況下では再編待ったなしといった感じですね。
不動産ファンド勢が元気をなくした今、シンガポールの鼻息はますます荒くなりそうです。今後REIT市場の将来を占う上ではずせない存在となりつつあります。