☆中国、大雪が製造業直撃(2・2ビジネスアイ)

 中国の記録的大雪で、現地のトヨタ自動車が生産を一時停止するなど製造業を中心に影響が続いた。国内の電力不足は解消せず、物流も寸断したまま。「世界の工場」となった中国の生産が完全に復旧するには時間がかかる見通しだ。日本や欧米が素材や部品を中国から調達する例は多く、中国からの輸出が滞れば世界経済に影響が及ぶ恐れも出ている。
 経済の中心である上海周辺と日系企業も多く進出する南部の広東省を結ぶ高速道路などが大雪で寸断。トヨタは「部品の到着遅れによる操業停止で1650台分の生産に影響が出た」という。
 石炭を発電所に運べず、電力不足が深刻化。江蘇省の一部では市民向け電力を優先するため、工業団地への供給制限を実施。減産の懸念から、アルミ価格が3日で6%も上昇するなど材料調達にも影響が拡大した。
 ソニーは「現状では中国で製品の輸出に遅れはない」とするが、別の日系企業社員は「交通機関の復旧が長引けば、取引先の中国企業が予定通り輸出を継続できるか懸念がある」と明かす。
 世界経済の牽引(けんいん)役と期待された中国景気の先行きも大雪で不透明感が強まっている。


☆中国の鋼材輸出が急減、12月は14%減・米国向け顕著      (1・26日経NET)

 中国の鋼材輸出の減少傾向が鮮明になってきた。2007年10月にほぼ2年ぶりに前年同月比で減少に転じて以来マイナスが続き、12月は同14%減まで落ち込んだ。特に米国向けが激減している。欧米などとの貿易摩擦回避のため輸出税率を高めてきた効果が出ている一方、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題による景気減速が中国の輸出に影響し始めた可能性が高い。

 中国製の鋼材は主に建築用材料などとして使われており、需要は住宅やインフラ設備などの投資動向に左右されやすい。「(07年に前年比24%減となった)米国の住宅着工件数の減少など景気減速が響き始めた」(鉄鋼業界関係者)との見方がある。


 悪いことって重なるものだなぁとつくづく感じています。というのも、サブプライムで世界経済が大揺れのこの時期に、なんと救世主になりうる中国に50年ぶりの大雪が発生。そして中国の問題点が次々と露呈する事態になり、いざという時に信頼がおけない国だという印象が深まってしまった点です。高速道路が寸断され物流が停滞。電力不足による工場停止。そしてまた、タイミングの悪い事に旧正月で人の移動がいちばん多い時にこの大雪が起こったことで駅には足止めをくらった黒山の人だかり。物流の停滞でインフレも進んでいます。旧正月にふるさとへ帰ることだけを楽しみに汗水たらして働いてきた低賃金労働者の怒りの矛先は政府に向かい、中国当局も軍を出動して復旧活動に取り組み、この難局を乗り切ろうとしていますが、かなりてこずっています。国の規模が大きいだけに何かが起こった時の危機管理は大変です。これが他国にとっては地政学リスクと映り、今後、中国が世界の工場であり続けることの前提が揺らぎかけています。

 そして、これまたタイミングの悪い事に中国政府は1月から外資優遇を原則廃止する新しい企業所得税法と労働者の待遇を改善する労働契約法を施行しました。安い労働コストを武器にした外資への依存から脱却し、中国企業の競争力を高めるという方針に沿ったものですが、これで中国から脱出する外資が増えてきたところでのこの大雪。政府にとっては大誤算でしょう。徐々に過熱した景気を冷やしていくという思惑が、このままではハードランディングになってしまう恐れが出てきました。そして、日本での餃子事件というダブルパンチ。まさに、泣きっ面に蜂というのはこのことでしょう。餃子のトレーに穴が空いていたということから、またまた謎が深まり、完全に中国に非があると決まったわけではありませんが、今回のイメージダウンを払拭することは容易ではありません。中国に吹いていた追い風が向かい風にいきなり変わってしまったような運の悪さを感じます。

 さあ、アメリカが利下げし、本来なら高金利の中国の方にマネーの移動が起きるはずが、今回ばかりはマネーも行きつく場所を考えあぐねている状態です。上海株はかなりの下げが続いています。中国政府はこの難題にどう挑むのか。今回の手腕が今後の中国の将来を占いそうですね。