英国の大手投資銀行バークレイズ・キャピタルは25日、サブプライム住宅ローン問題の影響で経営が悪化した米金融保証保険会社(モノライン)が格下げされると、世界の銀行は計1430億ドル(約15兆円)の増資を迫られる可能性があるとの推計をまとめた。
モノラインの格下げにより、保証対象のサブプライム関連の金融商品なども格下げされる可能性が高く、こうした商品を保有する銀行への影響拡大が懸念されている。
バークレイズは、主なモノラインが保証する金融商品など8200億ドルの75%を世界の銀行が保有するとの前提で推計。
モノラインの保証する金融商品が最上級の格付けの「トリプルA」から「シングルA」まで格下げされると、計1430億ドルの増資を迫られるという。
☆米バンカメ、120億ドル増資・サブプライム損失受け (1・26日経)
米大手銀バンク・オブ・アメリカは25日までに、優先株発行による公募増資で計120億ドル(約1兆3000億円)を調達すると発表した。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)をめぐる損失を受け、資本増強で財務基盤を安定させる狙い。増資の規模は当初予定の60億ドルから倍増する。
優先株は年利8%と年利7.25%の2種類を60億ドルずつ発行する。後者は一定条件で同行の普通株に転換できる。これにより財務の健全性の目安である中核的自己資本比率は、米大手銀の多くが目標とする8%を上回るという。
バンク・オブ・アメリカはサブプライムローンを証券化した有価証券の評価損などで、昨年7―12月の半年間に105億ドルの損失を計上。また地方銀行や住宅ローン会社など大型買収を繰り返して資産が増えたこともあり、資本増強の必要に迫られていた。
☆バンカメ、住宅ローン最大手のカントリーワイド買収 (1・12日経)
米大手銀バンク・オブ・アメリカは11日、米最大の住宅ローン会社カントリーワイド・ファイナンシャルを約40億ドル(4400億円)で買収すると発表した。カントリーワイドは信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付き増加で資金繰りが悪化、経営が危ぶまれており、事実上の救済合併となる。
合併は7―9月期にも完了する見通し。全額株式交換で行い、現金は使わない。
カントリーワイドは昨年の住宅ローン実行額が4000億ドルに上る業界最大手。巨額のローン債権や住宅ローン担保証券を保有しており、経営破綻して市場で資産が投げ売りされれば、金融・住宅市場全体に深刻な打撃が広がる可能性があった。
今はまさにアメリカ政財界の手腕が試されている時だと思います。仮にモノライン救済策が頓挫した場合、その影響は、今までのサブプライムの比ではないでしょう。世界の銀行で約15兆円もの増資が必要になるという推計が出ましたね。そして、そればかりではなく、モノラインの格下げによる疲弊で各国の地方銀行などの淘汰が進み、転じて金融再編が数多く起こることは避けられません。
今日もバンカメの1兆3000億もの増資のニュースが出ましたね。先ごろ住宅ローン最大手のカントリーワイドを救済合併しましたが、今度は自分も救済される側になってしまったわけです。そもそもバンカメがカントリーワイドを買収したのは、昨年の8月に支援の為優先株で20億ドル(約2200億円)の出資に踏み切ってしまった関係上、経営悪化を放置すれば自社にも跳ね返ってくるという理由があったわけです。こうするしかなかったという苦渋の選択だったわけです。ただ、こんなお荷物を背負っても、ますます自社の体力が弱ってしまうことになってしまうのですよね。特に住宅業界に嵐が吹いている今の状況下では・・・。
さて、バンカメに出資するのはどこになるのでしょうか。またまたオイルマネーでしょうか。シンガポールの政府系ファンドでしょうか。私がそろそろ動き出しそうだなと思っているのが、アメリカ金融界での唯一の勝ち組、ゴールドマンと、サブプライムの影響が比較的軽微だったJPモルガンです。
つい、1年ほど前までは勝ち組だった米金融界の面々がことごとく、新興国に出資を仰ぐはめに陥ってしまうという、何が起こるかわからない世界経済の戦国時代に突入してしまいましたね。この先も、息を飲むような展開が次々と起こりそうな予感がします。