米格付け大手フィッチ・レーティングスは18日、「モノライン」と呼ばれる金融保証会社大手、アムバック・フィナンシャル・グループの格付けを引き下げたと発表した。アムバックが同日、予定していた資本増強策を撤回したため。アムバックの保証を利用して高格付けを得ていた約5000の債券や証券化商品が連動して格下げされる見通しで、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した米金融市場の混乱に拍車がかかる可能性がある。
フィッチは実際に保証業務を手掛けるアムバック・アシュアランス・コープなど3社を従来のトリプルAからダブルAに、親会社のアムバック本体をダブルAからシングルAに引き下げた。同時にこれら4社の格付けについて将来的な格下げの可能性も示した。
金融保証会社は証券化商品などの発行主体から保証料を受け取り、債務不履行(デフォルト)が生じた場合に予定通り元利払いをする。
☆米、減税など最大16兆円の緊急対策・景気後退回避へ正念場 (1・19日経NET)
ブッシュ米大統領は18日、最大で1500億ドル(約16兆円)に上る緊急の景気対策の骨格を発表した。個人の所得税を還付する戻し減税と企業の設備投資を促す優遇税制を二本柱に、50万人の雇用の創出を見込む。対策の最終案は早ければ月内にもまとまる見通しで、大統領は議会に協力を呼びかけた。米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げも含めて、米国経済は政策の支援で景気後退を回避できるかどうかの正念場を迎える。
大統領はホワイトハウスで経済閣僚らと協議した後、記者団に対し、景気の現状に関して「下振れのリスクがある」と率直に認めた。「住宅と金融市場の不安定な状況が続けば、経済成長や雇用に追加の打撃を与える」との判断も示し、景気対策の必要性を訴えた。
対策の規模については「経済に影響を及ぼすのに十分な大きさが必要」と述べ、国内総生産(GDP)の1%程度になるとの見方を表明した。その後、記者会見したポールソン財務長官は「1400億―1500億ドル程度になる」と語った。
☆米緊急対策、個人消費喚起に力点・住宅関連追加なし(1・19日経NET)
ブッシュ米大統領が18日に表明した景気対策の骨格は国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費の喚起に力点を置く。一方で信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の震源地である住宅市場に照準を定めた追加策はなく、大揺れが続く金融市場への対応も見送った。政府の限界が浮かび上がるとともに、金融政策を運営する米連邦準備理事会(FRB)のかじ取りに圧力が増しつつある。
「トイレットペーパーやミルクをまとめ買いする」「私なら運転手を雇う」。CNNテレビが18日夜、景気対策の柱となる戻し減税の使い道を尋ねると、様々な回答が寄せられた。1人あたり最大800ドルと伝えられる所得税の還付に早くも期待が膨らんでいる。
ついに金融保障会社「モノライン」の格下げが現実のものとなりました。「モノライン」と呼ばれる米国の金融保証専門会社は地方債などを保証するため1970年頃に設立され、近年は証券化商品の保証へと手を広げました。格付け会社フィッチがアムバックの格下げに踏み切ったことで同社が保証する約5000本の証券に格下げ圧力がかかることになります。これで金融麻痺はウォール街を飛び出して全米各州に広がってしまう恐れが出てきました。モノライン各社は証券化商品以外に地方債の保証も手掛けていたためです。みずほ証券クレジット調査部によれば2006年にモノラインが保証していた資産は「公共セクターで円換算約150兆円、証券化で約95兆円に上る」とのことです。また、日本の金融機関でも今頃青ざめているところが出ているはずです。資金調達をするために証券化を利用し、そこに米大手モノラインの保証をつけていたところがあるからです。日本にとっても他人事では済まされない危機が近づきつつあります。
ここにきて、ようやく政府も重かった腰を上げましたね。これは、サブプライム問題が金融危機を通り越して、金融界、住宅業界の雇用を脅かし、実体経済まで蝕んできたからに他なりません。もう、放置できないところまで来てしまったといえるでしょう。しかし、この金融対策。どこまで効き目があるでしょうか。さきほどのモノラインが保証する資産の額と比べると、最大16兆円といえども焼け石に水かもしれませんね。サブプライムの震源である住宅市場に照準を定めた追加策、大揺れが続く金融市場への対応も見送るという小手先の刺激策にとどまり、株価もがっかりで下がってしまったとのこと。かえって政府の限界を露呈する結果となってしまいました。これでますますFRBのバーナンキさんにプレッシャーがかかってしまいますね。これは大変なことになってきました。全世界がタッグを組んで、民間の力も借りた復興策、できないですかねぇ・・・。こういう時に、アメリカが生んだ富豪であるビル・ゲイツさんやバフェットさんが立ち上がらねば!独り勝ちのゴールドマンが助けてあげなければ!モラル・ハザードとか言ってる間に、どんどん破滅の道へと向かっていってる気がします。欧米ががこけると間違いなく伸び盛りのアジアもおかしくなります。一刻も早い効き目のある政策が待ち望まれます。