☆米シティ、サウジ王子や中国が出資へ・8700億―1兆900億円     (1・12日経NET)

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は11日、米大手銀シティグループが、サウジアラビアの富豪アルワリード・ビンタラル王子や中国の政府系銀行などから、計80億―100億ドル(約8700億―1兆900億円)の出資を受ける見通しだと報じた。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)をめぐる損失で弱った財務基盤を強化する狙い。

 報道によると、中国国家開発銀行(CDB)が約20億ドルを出資するほか、既にシティ株を保有しているアルワリード王子も持ち株比率が5%を超えない範囲で追加投資する。外国政府系ファンドを含む複数の投資家や既存株主とも交渉中という。 シティの広報担当者は「コメントできない」としている。


☆中国政府系ファンド、国家開発銀行に2兆円超す出資(1・5日経NET)

 中国の外貨準備を運用する政府系ファンドの中国投資有限責任公司の子会社「中央匯金」は、政策銀行の国家開発銀行に200億ドル(約2兆2000億円)を出資した。中国政府は同行の商業化を進めており、今回の出資を通じて海外展開を後押しする狙いがあるとみられる。

 国家開発銀は昨年7月に英銀大手バークレイズに30億ドル(約3300億円)を出資した。これまで中国国内の大規模プロジェクトに資金を重点的に貸し付けてきたが、今後は中国政府が進める「走去出(外に出る)」政策に対応し、海外投資に軸足を移す姿勢をみせている。


☆メリルリンチ、1兆6000億円のサブプライム関連損失計上へ     (1・12日経NET)

 信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に関連し、米証券大手メリルリンチが150億ドル(約1兆6000億円)規模の損失を2007年10―12月期決算で計上する見通しだ。11日付の米ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。自己資本の低下を防ぐため、同時に40億ドル規模の資本増強策を検討しているという。

 メリルは17日に決算を発表する。損失はCDO(合成債務担保証券)などサブプライムローンを中心とする住宅ローンを担保とした証券化商品の評価損とみられる。損失額は昨年7―9月期に計上した89億ドルのサブプライム関連損失を上回る。昨年12月に経営トップが交代、保有資産の再評価を急ぐ。

 損失計上と併せて、中東の政府系ファンドから出資を仰ぐとの見方が出ている。メリルには昨年12月にシンガポールの政府系ファンドなどが62億ドルを出資したが、差し押さえ増加で住宅市況が悪化、保有証券の売却が進まず、財務内容が一段と悪化している。


ここにきてサウジの王子がついに登場ですね。アルワリード王子は1990年代に危機に陥った旧シティコープに出資し、再建を助けた経緯があり、これまでいちばん中東ではシティーに近い存在でした。ところが、先日、アブダビによる巨額出資が決まり、それもアブダビ側に非常に有利な利回りが条件でした。この案件、増して相手はライバルのUAEとくれば、シティの大株主、アルワリード王子にしては面白いわけもなく、自らの存在感をアピールするタイミングを虎視眈々と狙っていたものと思われます。さらに、今回、中国国家開発銀行が登場してきましたね。これは私が「オイルマネーとタッグ!」の時に取り上げた銀行ですが、重要ですので再度載せました。しかし、こんなに早く出てくるとは思いませんでした。先にこの案件のことが頭にあって、こんなに巨額の出資に踏み切ったことも十分考えられます。ちなみにこのCDBは、昨年7月に英銀大手バークレイズにも出資しています。まさに欧米の金融中枢に抜け目なく入り込んでいますよね。日本よりも先に、オイルマネーとタッグ!するのは中国になりそうで、まさに恐るべしドラゴンパワー!です。結局、シティーはこうなるとアブダビ、サウジ、中国の呉越同舟の株主が入り混じる展開になり、今後の政策決定がちゃんとまとまるのかどうも不安です。しかし、こうなると、世界ぐるみでのサブプライム問題の火消しになりつつある感があります。メリルも2007年10-12月期決算で150億ドル規模の損失を計上するとみられ、こちらもきっとオイルマネーの追加出資を呼びかけるでしょう。またしても中国のCDB登場でしょうか?それともシンガポールの追加出資?今力があるのはこんなところでしょうか。ロシアやリビアの政府系ファンドになると怖すぎてどこも出資を自分からは仰がないでしょう。まじめな話、アメリカという世界一の消費国の経済が破たんすると、一時的にマネーは原油や新興国へ逃亡し、中東や中国は潤いますが、長い目で見ると、自国も必ずこけます。冷え込んだ世界経済の中でアメリカが買ってくれないとなると、中国の輸出は激減し、よって原料の石油の需要も激減します。生産国から消費国へと脱皮する途上の中国も、まだまだ完全なる消費国になるまでには数年かかり、あともう少しはアメリカに頑張ってもらわなければならないのです。

政府系ファンド総ぐるみでの米経済の救済・・・。そんな流れがいよいよやってきたようです。