米証券大手ゴールドマン・サックスはこのほど公表した調査リポートで、米金融大手のシティグループ、メリルリンチ、JPモルガン・チェースの3社が10―12月期に合計336億ドル(約3兆8000億円)の評価損を計上すると予想した。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)を裏付けとした証券化商品の価格下落が響く。
予想によると評価損はシティが187億ドル、メリルが115億ドル、JPモルガンが34億ドル。このうちシティは11月上旬に「9月以降にサブプライム関連の評価損が80億―110億ドル発生した」ことを明らかにしたが、ゴールドマンは当時の損失予想を大幅に上回ると見込んでいる。3社は7―9月期には合計で175億ドルの損失を計上している。
証券化商品の一種である債務担保証券(CDO)の価格下落が続いていることが主な要因。CDOはサブプライムローンを裏付けとする住宅ローン担保証券(RMBS)などをさらに証券化したもので、証券化商品のなかでは比較的リスクが高いとされる。
☆世界の金融機関時価総額、米シティ首位転落・サブプライム響く (12・28日経NET)
世界の金融機関を対象に、12月25日時点の株式時価総額をランキングしたところ、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題で巨額損失を出した米シティグループが昨年の首位から4位に転落した。首位になったのは英HSBC、2位には中国建設銀行が入るなど欧州・中国勢が健闘。邦銀は三菱UFJフィナンシャル・グループの11位が最高で株式市場で存在感を示せないでいる。
ランキングは調査会社トムソン・データストリームのデータを基にまとめた。
☆米年末商戦、伸び悩む・サブプライムやガソリン高が響く (12・28日経NET)
米国の年末商戦から個人消費の減速感がにじんできた。国際ショッピングセンター協会(ICSC)が26日に発表したクリスマス直前1週間(12月16―22日)の主要小売業の既存店売上高は前年同期比2.8%増にとどまった。11―12月の伸び率が昨年実績を下回るのは確実で、商戦前の予測を割り込む可能性も出てきた。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題やガソリン高が響き、幅広い業態で振るわなかった。
ICSCが毎週発表している売上高のまとめによると、11月25日―12月1日の週は3.1%増だったが、翌2週はいずれも2%台前半で推移。商戦のヤマ場となった12月16―22日も3%増にはとどかなかった。2005、06年は11―12月の合計で3%台の増加を確保したが、今年は難しい情勢だ。
今日印象に残った記事はシティなどの追加損失よりもむしろシティが時価総額で世界4位に転落してしまったことです。これはドルが欧州のユーロに覇権を奪われつつあることから浮かび上がってきた米国覇権の終わりを名実ともに印象付ける記事だと思います。それから中国の金融機関の台頭も要注目です。さらにアメリカの年末商戦の動きから実体経済まで減速してきたことが浮き彫りになり、これは頭を抱えたくなるような問題ですよね。アメリカは消費することで世界の中での存在感をアピールしてきたわけです。新たな消費国に中国がなりつつありますが、まだまだ過渡期の中での米国の減速は、この先、米国へ大量の輸出をしている中国経済に影を落とすことにもなりかねません。アメリカはずいぶん前に製造業から金融業へと経済の戦略をシフトした国。その金融界でこんなことが起こってしまった。唯一の存在感、圧倒的な消費パワーも減速ぎみ。そして、軍事力も、いまや戦争で疲弊し、ロシアや中国が水面下でぐんぐん、その勢いを増しています。今後どのような展開になるのか、まさしく、日本の戦国時代の世界金融バージョンを見ているような気分です。来年はいったいどのような展開になるのでしょうか。大統領選からも目が離せませんね。