米証券大手メリルリンチは24日、シンガポールの政府系投資ファンド、テマセク・ホールディングスなどから計62億ドル(約7000億円)の出資を受けると正式発表した。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)による損失で弱った財務基盤を強化する狙い。中小企業向け金融事業の大半を米GEキャピタルに売却することでも合意した。
テマセクはメリルが発行する44億ドルの新株を購入するほか、追加で6億ドル分を購入する権利も得る。米投資顧問会社デービス・セレクテッド・アドバイザーズも12億ドルを出資する。出資は来年1月中旬までに行われる見通し。
テマセクの持ち分は発行済み株式の10%未満に保つ。「両社とも純粋な投資で、経営権の支配などが目的ではない」(メリルリンチ)としている。
☆テマセク、英銀株保有率を引き上げ(12・25日経)
シンガポールの政府系ファンド、テマセク・ホールディングスは英スタンダード・チャータード銀行の株式保有率を17%から18%に引き上げた。追加の株式取得額は約4億3600万ドル(約497億円)とみられる。テマセクは3月末時点で同行株を13%取得し徐々に引き上げていた。テマセクの3月期末時点で全体の資産残高の約38%(前年同期比で3ポイント上昇)を金融が占める。
偶然にも昨日シンガポールの話題を取り上げたところ、本日正式発表の記事が載りました。予想されていたよりも多い7000億ドルということですね。昨日も触れた様にシンガポール政府の投資ファンドは、現在中国をはじめとした政府系ファンドがモデルケースとして捕らえるほどすぐれた投資戦略を持っています。いわば国自体が企業のようになっていて、優秀な人材を確保するため、移民の受け入れにも積極的です。そして、シンガポールが今いちばん積極的に取り込んでいるのが他ならぬオイルマネーの取り込みです。シンガポールは現在急速にイスラム金融への対応を進めています。同国の金融管理局(MAS)は2003年に国際機関、イスラム金融サービス委員会(IFSB)のオブザーバー会員となり2005年には正会員となりました。非金融業務を禁じていた銀行法を改正し、商品取引を介したイスラム金融方式のムラバハ取引を可能としたほか、英国と同様に税の扱いの明確化と二重課税の回避を進めました。そして2007年には専業銀行も開業しています。現在同じくオイルマネーの取り込みに力を入れている香港と競争になっているようですね。今後、シンガポールとサウジ、シンガポールと中国など、巨大投資ファンド同士が組むような事態にでもなれば、日本の優良企業などはたちどころに飲み込まれてしまいますよね。シンガポールの全方位戦略、恐るべしです。