米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が世界経済に影を落としている。年末に向けた金融不安を解消するため米欧の中央銀行が協調して短期市場に資金を供給したほか、金融機関は新興国の政府系ファンドから出資を受け入れるなど相次ぎ対策を打っているが、不安は解消していない。米欧日の金融機関の損失は10兆円規模に達したもようで、各国の実体経済への影響も出始めた。
米欧の主要金融機関のサブプライム関連損失は公表ベースで900億ドル(約10兆円)規模に膨らんだ。
米シティグループは7―9月決算で64億ドルの損失を計上。10月以降も80億―110億ドルの追加評価損が発生する可能性がある。サブプライム対策基金の創設断念の影響も大きく、簿外の運用組織を連結化する結果、その損失も決算に反映せざるを得ない。
☆ボーナスは77億円、一人勝ち?米ゴールドマンCEO(12・23日経NET)
米証券大手ゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)の今年のボーナスが、6790万ドル(約77億円)にのぼることが21日分かった。同社が米証券取引委員会への届け出で公表した。
内訳は現金が2680万ドル、自社株の現物や購入権などが4110万ドル。このほかに60万ドルの基本給も受け取っている。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると米金融機関トップの報酬として史上最高額を更新した。
同業のモルガン・スタンレーとベアー・スターンズは、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に絡む巨額損失を計上し、CEOのボーナス返上を決めたばかり。市場の変動をよそに利益を積み重ねるゴールドマンの一人勝ちの構図が浮き彫りになった。
☆米ベアー・スターンズ、サブプライム損失2150億円・9―11月 (12・21日経)
米証券大手ベアー・スターンズは20日に発表した9―11月期決算で、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に関連して19億ドル(約2150億円)の損失を計上したことを明らかにした。最終損益は8億5400万ドルの赤字(前年同期は5億6300万ドルの黒字)だった。赤字転落は1923年の創業以来、初めて。
ベアーが計上したサブプライム関連損失は6―8月期実績の9億ドルからほぼ倍増した。今年夏以降の住宅市場の混乱や保有証券の格下げを受けて、損失額が膨らんだ。赤字転落の責任を取り、ジェームズ・ケイン会長兼最高経営責任者(CEO)以下、経営首脳陣はボーナスを返上する。
サブプライム問題の深刻化はベアー以外の米大手証券の業績も圧迫している。モルガン・スタンレーとリーマン・ブラザーズの2社が9―11月期決算で計上したサブプライム関連の損失額は6―8月期実績を上回った。ただ、サブプライム関連の証券を空売りしたゴールドマン・サックスが増益を確保しており、対応の巧拙が明暗を分けた面もある。
この段階ですでに10兆円越え。さらに隠れ損失は出てくるでしょう。さらに債券市場まで格付けの低下が進んでいくと世界大恐慌の域までいってしまいます。特に今心配なのが他ならぬシティ。というのも、この問題がアメリカ実体経済に及んでいる今、シティがメインバンクである企業の業績が、今度は心配になってくるのです。特にGMの金融部門なんかが疲弊していそうです。シティが日興証券を子会社化した今、日本経済にとっても無視できぬ存在となってきているのでこの先の雲ゆきがどうにも心配です。変わって独り勝ちのゴールドマン。サブプライムの手数料で散々設けておきながら、空売りに回っていたとは、恐るべし・・・ですよね。投資の世界というものはこんなドライなものなんでしょうか。ゴールドマンはアメリカという国よりも軸足をどうやら海外に向けているようですね。なにしろ、ポールソン財務長官(元ゴールドマン会長)肝入りのサブプライム基金にはビタ一文入れる気はなかったのに、経営難に陥っている英中堅銀行、ノーザンロックの資金調達のお手伝いをするというのですから。これはノーザンロックの国有化を回避するため英財務相がゴールドマンに協力を要請していたものですが、まあ、どちらがよりうまみがあるかを選ぶということは、上場企業である限り仕方のないことなのでしょうか。今回のサブプライム問題でのいちばんの変化はこのアメリカ金融界におけるシティの没落、ゴールドマンの台頭という一言につきるのではないかと私は思うのです。勝ち組が次に何を狙っているのか。そこに目をつけていくのが、私たち庶民のささやかなる投資戦略には欠かせないことなのかもしれませんね。