☆米モルガン・スタンレー、中国政府系が5700億円出資 (12・20日経)

 米大手証券のモルガン・スタンレーは19日、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に絡み9―11月期決算で94億ドル(約1兆600億円)の損失が発生し、中国の政府系ファンド、中国投資有限責任公司から50億ドル(約5700億円)の出資を受け入れると発表した。保有するサブプライムローンを裏付けにした金融商品が大量に格下げされたため減損処理をする。

 出資を引き受けるのは、中国政府が外貨準備の効率運用を目的に設立したファンド。普通株に転換される出資証券を引き受け、転換後の持ち株比率は最大で9.9%になる見通し。モルガン・スタンレーは巨額損失による自己資本比率の低下を緊急増資で補いたい考えだ。

 今回の損失処理で、9―11月期は35億8800万ドルの最終赤字(前年同期は22億600万ドルの黒字)に陥った。


☆メガ銀、サブプライム基金への融資枠設定見送りへ (12・20日経)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友銀行、みずほコーポレート銀行のメガバンク3行は19日、大手米銀から要請のあった信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)対策基金に対する融資枠の設定を見送る方針を固めた。各行が要請された融資枠はそれぞれ50億ドルと巨額なうえ、貸し倒れリスクが不透明だと判断した。

 同基金は米シティグループやJPモルガン・チェースなど米大手銀が設置を検討。総額500億ドルの資金を準備して、資金繰りが苦しくなっている銀行傘下の運用会社から、格付けの高い証券化商品を買い取る仕組み。混乱が続く金融市場の安定につながるとして米財務省も歓迎している。


 さあ、もう完全に、「困った時の政府系ファンド頼み」になってしまいましたね。前回のシティへのアブダビの出資に続き、今回は発足したての中国の政府系ファンドがモルガンスタンレーへの出資に踏み切りました。つい数か月ほど前の、政府系ファンドを監視するといった雰囲気はあとかたもなく消え、世界経済の力関係が大きくこのサブプライムショックによって変わってしまいました。政府系ファンドは投資先に基本的には経営陣を送らず、議決権を保有しない「物言わぬ」株主となります。それでいて圧倒的な資金力なのでいざという時資本増強などの面でたよりになります。窮地に陥った今の米大手金融機関には願ってもない存在だったわけですね。今回の政府系ファンド、「中国投資有限責任公司」にとって、今回のモルガンスタンレーへの出資は第一号投資案件となります。当初は株式や債券など金融商品への投資が主体になるとみられていましたが、この思わぬサブプライムの嵐の中、向こうから請われる形での出資。今後、こちらの方がうまみがあると分かれば、積極的に他の海外金融機関や企業への出資を手掛ける方向に向かうでしょうね。それにしても同じ日の新聞に日本のメガバンクが見送りという記事、これは何ともいえなかったですね。メガバンクにしてはこの選択しか取れなかったとは思うのですが、これははっきり言ってアメリカへの踏み絵のようなものだったと私は考えています。「中国はできる限り、貢献してくれたのに、日本は協力しなかった。・・・」この、アメリカがはじめから分かり切って仕掛けたような構図が、のちのち、金融大再編にむけての序章になるような気がしてなりません。さあ、これからどんどん政府系ファンドの勢いは膨らんでいくでしょうね。ますますその動向から目が離せなくなってきました。