☆サウジアラムコ、昭シェルへ追加出資も (12・15日経NET)

 サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコのアディル・アルトゥバイエブ副社長は14日、都内で日本経済新聞記者と会い、昭和シェル石油への出資比率を引き上げる可能性があると表明した。同社にとって世界最大の輸出先となったアジアでの事業を一層拡大する狙いとみられる。住友化学とサウジで手掛ける石油化学合弁についても7000億円規模を投じて第2期プラントを建設する考えを明らかにした。

 マーケティング・供給計画担当のアルトゥバイエブ副社長は現在15%出資する昭シェルとの提携について「非常に満足している。長期的に投資を回収していく」と指摘。そのうえで追加出資について「プランはある。時期の目安はないが、昭シェルが他分野に事業を拡大したいと判断した場合は(追加出資を)実施する」と述べた。


☆住友化学、サウジの石化合弁拡大へ(12・7日経)

 住友化学はサウジアラビアでの石油化学合弁事業で、2012年にも新プラントを建設する。08年秋に稼働させるコンビナートの第2期分としてデジタル家電や自動車などに使う高付加価値型の樹脂を生産する方向でサウジ側との調整に入った。新規投資額は2000億円以上とみられる。原油高騰で現地の安価な天然ガスを原料にする同合弁のコスト競争力が向上しており、生産品目を広げて収益力を高める。

 住友化学が持つ生産技術を現地に持ち込む形となる。石油・ガス資源を活用した自国産業の育成を急ぐサウジの戦略が加速する。


このところ、アブダビの政府系ファンドなどの影に隠れ気味だったオイルマネーの御本家、サウジの久々の登場ですね。アブダビがコスモ石油との関係を強化する中、サウジも流れに遅れるまいと昭和シェルへの追加出資に踏み切りました。アラムコは2004年に昭和シェルに出資。現在は英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル(35%出資)に次ぐ第2位株主です。コスモ石油も今、石油以外の代替エネルギーの開発に力を入れていますが、この昭和シェルが強化している事業は太陽電池事業です。そして、サウジが今、いちばん欲しい事業がこの太陽電池事業なのです。アラムコの圧倒的な資金力と世界とのパイプがあれば、昭和シェルのこの事業も成功への道が近づいてくるでしょう。さらにアラムコは住友化学との合弁事業をさらに拡大して、自国の製造業を強化しようとしています。2008年10月に稼働する予定の第1期施設として世界最大級の石油精製・石油化学プラントを建設。汎用樹脂ポリエチレンなどを量産して中国や欧州で販売する予定で総事業費は98億ドル(約1兆1000億)です。うち約6割を日米欧と中東の金融機関から調達しました。早ければ2012年にも稼働する第2期施設では自動車部品に使う合成樹脂原料など高付加価値の石化製品を生産する見込みで7000億円規模の大型投資となります。産油国はこのように、以前の原油高の時とは違って、必死にあふれるオイルマネーを有望な技術を持つ企業に投資して、自国の技術力を高め、産業の石油依存からの脱却を目指そうとしています。将来、石油から代替エネルギーに変わる世界の流れをちゃんと見越しているわけですね。それと、もうひとつの理由として、最近のひどいドル安。産油国のドル離れが進んでいく中、安全保障上、アメリカに防衛してもらわなければならないサウジは、そう簡単にドルを見限るわけにはいかず、あふれる外貨の使い道に頭を痛めていることでしょう。そこで、ドル安が今後もどんどん進むことを見越し、どんどんオイルマネーが潤沢なうちにほんとに実のあるものへドルという紙幣を変えてしまおうと、積極的な投資を進めているのだと思います。投資先は不動産、そして有望な技術を持つ企業、そして自国のインフラへと向けられていくと思います。この流れは他の産油国でも続くでしょう。オイルマネーに認められた企業は今後も有望でしょうね。原油の値段はかなり投機マネーが左右してきているので、ひょんなことから暴落しかねない不安定さを持っています。だから、タイムリミットはあまりないことに、産油国はとっくに気付いています。ですからかなり投資を今後急いでくるでしょう。今後の動きに要注目です。