素材産業が原油価格の高騰に対応し、重油などの石油燃料を廃プラスチックや木くずなどの代替品に転換する動きを加速する。製紙最大手の王子製紙は廃プラなどの燃料活用で重油使用量を2010年度までに半減。化学最大手の三菱化学も自社プラントの発電に使う重油を大幅に減らす。日本のエネルギー消費の約3割を占める素材産業が「脱石油」を加速させることで、国内の原油消費の抑制が一段と進む可能性が出てきた。
輸入原油の指標となる中東ドバイ原油の価格は先月初めて1バレル90ドルを突破。現在も85ドル台を付け、3年前の約3倍の水準で推移している。これが重油などを大量消費する素材業界のコストを膨らませており、各社は安価な代替燃料への転換で収益改善を急ぐ。
☆コスモ、海外新事業拡大・石油需要減退にらむ(12/8日経)
コスモ石油は海外で相次ぎ新規事業に乗り出す。イタリアで来年1月から農業用の液体肥料を現地生産するほか、アラブ首長国連邦(UAE)では将来の商用化に向けて太陽熱発電装置の実証機を建設する。原油価格高騰で、本業である国内の石油精製事業は収益環境が厳しい。石油需要減退もにらみ、石油元売り各社の間で国内外で新たな収益源育成を目指す動きが加速してきた。
コスモの液体肥料は動植物に含まれるアミノ酸の一種が主成分。農作物の収穫量が2割増え、糖度も高まるという。量産が難しかったが、石油精製時の脱硫技術を応用し、独自の大量生産技術を確立した。
時として、試練は飛躍を生みます。過去の石油ショックの教訓のおかげでどの国よりも省エネ技術が進んだ日本、そのおかげで今回の石油高でもパニック状態までには落ちいらずにすみ、またハイブリッド技術など、世界に誇れる環境技術を持つまでになりました。今回も素材産業がこぞって脱石油へと足並みを揃え、将来を見据えた確かな戦略を立てようとしています。そして、今日特に目についた記事がコスモ石油のニュース。石油会社が将来の石油需要減退をにらみ、産油国で太陽熱発電を開発したり、農作物の収穫量を高め、糖度まで高める液体肥料を生産したりと、事業の多角化に邁進しようとしています。確かに今後、世界的にバイオエタノールの税優遇が広まったり、環境志向が高まったりし、石油の投機的価格の釣り上げが危惧される中、脱石油戦略は企業の死活問題にもなってきます。コスモはどうやら総合エネルギーメーカーに脱皮する戦略を持っているようですね。そしてそれにオイルマネーも乗ってくるでしょう。今の石油高騰の夢のような時代がいつまでも続かないことは、実は産油国がいちばんよく知っていて、あふれるオイルマネーを代替エネルギー投資へ注ぎ込み、将来の経済基盤の安定へとつなげていきたいのでしょうね。今後もこの傾向は続いていくでしょう。