☆欧米金融13社、サブプライムの損失拡大・500億ドル超(11・11日経)

 信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に端を発する金融市場の混乱で、欧米金融機関の損失が拡大している。サブプライム関連の有価証券の格下げなどで損失が膨らみ、大手13社が9日までに公表した損失は合計で500億ドル(約5兆5000億円)を突破した。今後も証券の値下がりが続けば損失がさらに広がりかねない。株式市場では金融関連の銘柄に不透明感が広がり、資金が流出する要因となっている。

 口火を切ったのは証券大手メリルリンチ。10月24日に発表した7―9月期決算で、サブプライムを含む住宅ローン債権と、それを証券化した債務担保証券(CDO)などの評価損が79億ドルに上った。約3週間前には45億ドルとしていたが「最も保守的な(価格の安い)評価に変えた」(オニール前最高経営責任者)ことで約1.7倍に増えた。


☆サブプライム損失、17兆円弱も・FRB議長 (11・9日経NET)

 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は8日、上下両院合同経済委員会で証言し、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げつきが金融機関などに1500億ドル(約16兆9000億円)の損失をもたらす恐れがあるとの見方を示した。最大1000億ドルと見積もっていた当初の想定より損失額が大きくなる可能性を認めた。

 同日の証言では共和党のブレイディー下院議員が「サブプライム関連の損失は1500億ドル程度まで膨らむとの試算もある」と指摘。バーナンキ議長は「おおむね正しい」としてこれを認めた。

 議長は7月の議会証言で、サブプライム関連の損失を「500億―1000億ドル」と見積もっていた。その直後に広がった金融不安の影響を考慮し、国際通貨基金(IMF)が9月の報告書で試算した「1700億―2000億ドル」に近い水準に上方修正したもようだ。


さて、当初は楽観論を述べていたポールソン財務長官やバーナンキ議長の口ぶりがこのところずいぶん深刻になってきましたね。どのワクチンもきかない新種のウイルスの蔓延をやっと認めたような口ぶりです。この影響でアメリカ経済の信用がガタ落ち、実物資産にドル建て金融商品から逃げ出したマネーが殺到し、原油も金も、説明のつかない状態まで高騰しています。特に原油の高騰は私たちの実体経済にまで影響を及ぼし始め、気軽に家族でドライブも楽しめないほどガソリンの相場が跳ねあがっています。なんとかして、この危機をくいとめたいですね。ただこのサブプライム問題、そう簡単に解決のつく問題ではないと思います。この問題を読み解く時に、分かりやすい例は今、日本社会を揺るがしている食の偽装問題です。今朝の新聞でも船場吉兆が三田牛と偽って鹿児島牛を阪急百貨店を通してお歳暮のすき焼きセットとして販売していたことが報道されていました。吉兆にしても、赤福にしても、地元で堅実に老舗としてやっていく分にはよかったのです。それが規模を力量以上に大きくしてしまったのがそもそもの発端だと思います。利益を大きく出さないと大きな組織は回っていかない。これが偽装に手を染めることになった一因だと思います。サブプライム問題にしても、巨大化したヘッジファンドや投資銀行がその巨体を維持していくために、あえてリターンの見込める金融商品へとリスク感覚を見失ったまま傾倒していった結果なのです。そして双方に言えることは、正体がつかめなくなった疑心暗鬼の商品は、いかに以前どんなに人気があった商品でも、もう誰も見向きをしないということです。買い手が誰もいなくなってしまうのです。これがいちばん恐ろしいことです。血液の循環がストップするに等しい恐怖です。これはもう、アメリカの威信をかけて解決すべき問題です。このマネーの循環を蘇生させるには、もうオイルマネーかチャイナマネーの助けを借りるしか道はないかもしれませんね。さあ、どうする、アメリカ? その手腕が試される時がきたようですね。