☆米メリル、サブプライムで評価損拡大・7―9月9000億円
(10・25日経)
米証券大手メリルリンチは24日発表した7―9月期決算で、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題による有価証券の評価損が計79億ドル(約9000億円)に上ったことを明らかにした。最終損益は22億4000万ドル(約2500億円)の赤字に転落。前年同期は30億5000万ドルの黒字だった。
赤字転落は2001年1―3月期以来6年半ぶり。メリルリンチは今月初め、同証券の評価損が45億ドル程度になるとの見込みを発表したが、その後の市場環境の悪化で大幅に拡大した。サブプライム問題では米大手金融機関の巨額損失が相次ぎ表面化。メリルが発表した評価損は大手銀シティグループを上回って最大となった。
主な原因は、種類の異なるローン債権を一つにまとめた投資商品である債務担保証券(CDO)の値下がり。投資家に販売するために在庫を抱えていたが、サブプライム問題による信用市場の混乱で買い手が付かなくなり、市場価格が下落。帳簿上の価値との差を損失として処理せざるを得なくなった。
サブプライムの恐怖がじわじわと金融機関を揺るがし始めました。今日の米国市場は緊急利下げのうわさが出るほど悲観的なムードが漂いました。その1番の原因はやはり、このメリルリンチの6年半ぶりの巨額赤字決算の衝撃です。メリルリンチは複数の種類の異なるローンを1つにまとめた債務担保証券(CDO)の組成業務で大手。投資家向けに大量の在庫を抱えていたことが裏目に出て、多額の評価損計上を迫られました。メリルは損失を食い止めるために7-9月期に在庫圧縮を急ぎ、CDOの持ち高を期初の約半分、住宅ローン担保証券(RMBS)も7割程度まで減らしました。だが買い手がつかない中で安値での売却を繰り返すことで、証券の価格が一段と下落。逆に損失が膨らむ悪循環を招いた可能性があります。証券の評価損79億ドルに加えて、格付けの低い企業やファンド向けローン債権の値下がりで9億6千万ドルの評価損を計上。合計の損失額は約89億ドルにまで上ってしまいました。メリルが保有するサブプライム関連資産は今回の評価損を控除した後でも、自己資本の約半分に当たる209億ドルに上るそうです。メリルといえども資本は盤石ではないのです。米金融機関ではシティグループが64億ドル、バンク・オブ・アメリカが27億ドルの巨額損失を相次ぎ計上しています。幹部の経営責任追及の動きも出ているとのことです。今回のことで米大手金融機関の経営がただちに揺らぐ恐れはないでしょう。ただシティなどは簿外の運用会社を通じて1千億ドル近い資産を持ち、その中には大量のRMBSなどが含まれます。昨日のみずほFGの例のように間接的な打撃が心配です。今月15日にはシティなど大手金融機関が共同で傘下の運用会社が保有するRMBSなどを買い取る10兆円規模の救済ファンド設立を発表。金融界が協力して関連商品を買い支え、価格下落を防ぐ構想を打ち出しました。しかし資金調達手段など詳細は不明で証券市場の不安がぬぐい切れたとはいえません。 私は、まだまだ損失を隠している金融機関が世界中にあると見ています。今後、どのような展開になるのか、固唾を飲んで見守っているような状態です。