☆キリンが買収発表・協和発酵にTOBへ(10・22日経)

 キリンホールディングスと協和発酵は22日、キリンが協和発酵を傘下に収めることで合意したと正式発表した。キリンが31日からTOB(株式公開買い付け)を実施し、協和発酵の株式を1株1500円で27.95%(1億1157万8000株)取得する。最終的に2008年10月、協和発酵とキリンの医薬品事業を統合する。

 買収金額は1673億円になる。TOBの期間は12月6日まで。

 TOB成立後にキリンの医薬品子会社、キリンファーマ1株に対し協和発酵の株式8862株を割り当て交付。キリンが協和発酵の株式の50.1%を取得して、08年4月1日に連結子会社にする。株式交換を含めたキリンの買収総額は3000億円を超える。協和発酵とキリンファーマは08年10月1日に合併し社名を協和発酵キリンに変更する。新会社の社長には協和発酵の松田譲社長が就任する。キリンHDは原則として10年間、新会社の持ち株比率を50.1%に維持する方針だ。

 先日お伝えした通り、やはり買収となりましたね。これで、国内で初めて年間売上高が2兆円を超える総合食品メーカーが誕生することになります。医薬品事業だけの売上高でみると、2社合計で約2000億円となり国内10位の塩野義製薬と同程度になりそうです。少子高齢化に伴い、ビールなど売上高の6割を占める国内酒類事業が低迷し、成長性の高いバイオ・医薬品事業や海外市場に活路を見出す姿勢がこれでより鮮明になりました。

 キリンは06年に酒類のシェア拡大に向けメルシャンを買収したほか、医薬品事業ではテルモやヤクルト本社などとも資本・業務提携していました。ライバルのアサヒビールもこのところM&Aに積極的でした。06年にベビーフード大手の和光堂を買収し、今年2月にはカゴメと資本・業務提携しました。酒類を除く食品で最大手の味の素も今月1日付でカルピスを完全子会社化しました。ただ、いくらM&Aを進めていってるといっても、世界の有力企業と比べると、まだまだです。スイスのネスレの06年12月期売上高は円換算で約9兆6800億円とキリンの約6倍、米ペプシコは約2.5倍と、まだまだ大きな開きがあります。三角合併も解禁となり、まだまだ国内の大手企業といえども、買収の危険にさらされることになりそうですね。ここで以前、日経に出ていたネスレ日本会長兼社長のホセ・ロペス氏の数か月前のインタビューを振り返ってみましょう。


☆ネスレ日本、食品会社買収に意欲

昨年末、武田薬品工業が飲料・食品事業部門をハウス食品に売却した。その際、数社が買収に名乗りを上げたとされているが「当社が検討していたのは事実」と打ち明ける。「健康食品、栄養などの方面でのM&Aにはとても興味がある」という。「日本の食品業界は集約の段階に入っており、1プレーヤーとして業界再編に参加したい」と意欲をみせていた。


たとえば、キリンが優良企業の協和発酵を買収したとしても、その子会社を抱えたキリンごと、ファイザーなどの

超大企業に買収されたらひとたまりもないでしょう。これは極端な例ですが、・・・。となると、キリンよりもはるかに規模の小さな企業がたくさんある食品業界はどうなるのでしょうか。特に、食品会社の中でも健康食品を開発する技術を持つ企業は、外資の垂涎の的となるはずです。今後とも、外資、国内、業種を問わず、M&Aの嵐がこの食品・薬品業界に吹き荒れることは、ほぼまちがいないでしょう。