☆NY原油、初の90ドル台・時間外取引で一段高 (10・19日経)
18日のニューヨーク原油先物は、通常取引後の時間外取引で一時1バレル90.02ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。ドル安が進み、ドル建てで取引される原油先物の割安感が強まり、投機資金が急速に流れ込んだ。トルコ軍のイラク越境攻撃の観測など中東情勢の緊張も引き続き買い材料になっている。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物が大幅反発。通常取引で一時89.69ドルを付け、終値として最高値の前日比2.07ドル高の1バレル89.47ドルで取引を終えた。通常取引後の時間外取引でも一段高となり、初めて90ドル台に乗せた。
☆原油、近づく強気相場の終焉 (10・2日経コラム)
現在の高原相場は持続可能なのか。カギは米国の需要と景気だ。
米国では人口増と所得増で自動車保有台数が増えており、原油価格が高騰してもガソリン需要が伸びてきた。投資マネーが株や債券から原油などの商品に流れ込んでいる背景には、実需の堅調さがある。
それでも米景気が失速すれば、原油需要には間接的に下押し圧力が働く。ばんせい証券の武田真市場調査室長は「米ガソリン消費は小売価格が一時期より下がったにもかかわらず伸びが鈍化しており、個人消費が鈍っている可能性がある」とみる。米住宅ローン問題の影響が個人消費に波及すれば、市場で軽視されている需要減退リスクが注目されるだろう。
原油市場への資金流入を加速させたドル安も、本質的には米景気に対する不安の表れといえる。米金融当局の利下げは一時的に株価を押し上げても、長期的には原油高という副作用を伴って景気下押しリスクにつながりかねない。80ドル近辺の原油高が経済に与える影響は無視できず、長続きは難しいように思える。
原油が1バレル90ドル台にのせ、一昔前には考えられない水準となってきました。ここまでくると、国内の小売業者も、再度の値上げに踏み切ってくるでしょうね。私たち消費者にも、このところ、食料品といい、ガソリンといい、どんどんインフレの波が襲ってきているような感を受けます。
このところの原油高は外国為替市場でのドルの重しにもなっています。米国は石油製品の消費量が多いだけに、ガソリン価格の上昇などを通じて個人消費が落ち込み、景気の減速感を強めかねないとの連想が働いているからです。米国の原油消費量は欧州全体より多く、世界の4分の1を占めます。原油は通常ドル建てで取引されるのでドルが割安になれば他の通貨で換算した原油価格はさほど上がらず米国ほどは原油高の悪影響を受けにくいということになります。よって、よりドルに対する敬遠が深まり、ドルと原油相場の逆相関という構図が成り立つのです。ドル安が進む要因はまだまだあります。原油価格が上がれば産油国のドル収入が増えます。産油国は今までその収入を米国債の購入にあてていましたが、最近はドル以外の通貨に分散投資しています。手持ちのドルを他の通貨で運用する時に、外為市場ではドル売りが出るため、ドル安圧力が強まるのです。さらに、原油高の背景として考えられる中東での供給不安。これは、トルコ議会がイラク北部のクルド人武装組織への越境攻撃を承認したことによるものです。仮にこの地政学リスクが米国に及ぶようなことになれば、ドル売りが一段と強まるとの観測も出ています。原油高になるとドルが安くなるという構図が本当に鮮明になってきた気がします。
ただ、これ以上の原油高になると、投機的な資金のぶつけ合いの様相になってきますので、短期的にはこの高値が続くかもしれません。ただ、長期的な視野にたった、需給の面から分析すると、原油はそんなにひっ迫していない気がします。むしろ、金の方が争奪戦になりそうな気がするのです。