☆米ファンド、M&A苦戦・サブプライム問題で資金調達難 (10/12日経)

 米国で投資ファンドによるM&A(合併・買収)が相次いで中止に追い込まれている。信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が信用収縮を引き起こし、買収資金の調達が困難になったためだ。
 9月下旬以降、データ管理大手と音響機器大手の買収が取りやめとなり、学生向けローン会社の買収中止を巡っては訴訟に発展している。7―9月期の買収額は前期比で6割減少し、ファンドが企業再編を支える構図が揺らぐ可能性もある。


☆チャイナマネー国際市場へ(10・2ビジネスアイ)

 中国政府が世界一の外貨準備高約1兆4000億ドル(約161兆円)のうち、まず2000億ドルを「国家ファンド(SWF)」として海外で運用する国有投資会社「中国投資有限責任公司」が1日までに発足し、国際市場に参入した。米サブプライム(高金利型)住宅ローン問題で市場が不安定になる中、当面は慎重な運用から始めるというが、市場は巨大な「チャイナマネー」の登場に神経をとがらせている。
 中国の外貨準備高は6月末で1兆3326億ドルと発表され、7月末には1兆4000億ドルに達したもようだ。貿易黒字の増大に加えて、人民元相場の高騰抑制のためのドル買い介入が、外貨準備高を膨張させている。
 これまで中国は、保有外貨で米国債を中心に投資先を選んでいた。しかし“脱米国債”として投資通貨や金融商品の分散や、投資収益の向上などを目指して6月に国有投資会社の設立を正式決定していた。今後はユーロや円などへも外貨運用の幅が広がる見込みだ。
 この国有投資会社の資本金は、特別国債を発行し中国人民銀行(中央銀行)から購入した2000億ドルが充てられた。
 国有投資会社は、会長に国務院(政府)の楼継偉副秘書長、社長に全国社会保障基金理事会の高西慶副理事長が就任。楼氏らは、「海外の『金融複合商品』を中心に、負担できるリスクの範囲内で長期投資の収益の最大化を図る」との投資基本方針を明らかにした。
 経営幹部の多くは共産党幹部や中国政府高官の出身で占められる。投資方針に「自主的経営」も掲げているが、競争が激化する国際市場で、どこまで市場ルールにのっとった投資ができるか疑問視する声も出ている。
 SWFは民間ファンドなどと異なり、国家が投資家であるため、投資情報を市場に公開して透明性を保つ必要はない。中国政府と党の意向を反映させるだけで、自由に投資活動を行える。このため政治目的で特定の国の金融市場で、巨額の売買を行うことも可能だ。
 このほか、すでに米投資会社ブラックストーン・グループに30億ドルの出資も決めているが、市場関係者の中には、米国などでブラックストーンを経由し、軍需産業やハイテク産業など、中国が求める技術をもつ米企業などへのM&A(企業の合併・買収)に乗り出すことも懸念されている。
 世界有数の投資機関となる中国のSWF。想定外の行動に出ると、投資先や投資規模によっては国際金融市場に大きく影響する恐れがある。

今日とりあげた記事からも分かるように、アメリカのファンドが機能しなくなってきています。特に米大物投資ファンド、KKRやゴールドマンサックス系のファンドまでもが買収を中止するという事態に陥っていることが、アメリカファンドを巡る環境の厳しさを物語っています。そして、対照的に、中国が膨大な外貨準備高を武器に、積極的に海外投資に参戦しようとしています。すでにアメリカの大物ファンド、ブラックストーンは中国からの出資を受け入れ、アメリカのライバルファンドと一線を画す戦略に出ているようですね。このことから見ても、現在の世界経済は、国境を越えた戦国時代に入ってきているように感じます。アメリカのファンドや金融機関が、今後は中国とタッグを組み、世界各国のM&Aに乗り出すということも十分に考えられるわけです。うなぎのぼりに上がる中国株式市場、もたつく日本市場、今後ますます時価総額に開きが出てくるでしょう。その時、中国がのどから手が出るほどほしがっている技術をもった日本の上場企業は、防衛する手段を持っているのでしょうか。三角合併の解禁を受け、ますます日本の企業に黒船が近づいてきています。そして、その黒船にかかげてある国旗は、もはや星条旗ではなく、赤い旗なのかもしれませんね。