☆カタール投資庁、ドル建て資産を大幅圧縮 (10・9日経)

 中東を代表する政府系ファンドのカタール投資庁(QIA)は総資産に占めるドル建て比率を2年間で99%から40%に大幅圧縮した。QIAを管理するカタールのハマド首相が8日までにCNBCテレビに明らかにした。ペルシャ湾岸産油国の「ドル離れ」が鮮明になり、各国が通貨のドル連動(ペッグ)を見直すとの観測が強まりそうだ。

 QIAの総資産は500億ドル(約5兆8000億円)前後といわれる。ハマド首相によると、このうち40%はユーロ建てで、20%は英ポンドを含む複数の通貨建て。同首相はドル資産圧縮の理由を「我が国の収入の大半は石油や天然ガスの輸出によるドル建てなので、(為替変動リスクを回避するため)別の通貨建ても必要になった」と述べ、主に欧州通貨に対するドル相場の下落に対応した措置だと説明した。


☆湾岸通貨に切り上げ圧力・米と金利差拡大、ドル連動見直しも (10・4日経)


 ペルシャ湾岸産油国の通貨に対する切り上げ圧力が強まってきた。サウジアラビア・リヤルの対ドル相場は21年ぶりの高値をつけ、他の通貨も大幅高となっている。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で米が利下げした一方で、インフレを警戒する湾岸産油国は利下げできず、金利差が拡大しているためだ。湾岸産油国の多くが採用しているドル連動(ペッグ)制の見直しにつながる可能性も出てきた。
 外国為替市場ではドルを売って湾岸通貨を買う動きが広がり、9月25日にはサウジ・リヤルが1ドル=3.73リヤルまで上昇した。アラブ首長国連邦(UAE)の通貨ディルハムは5年ぶり、カタールのリヤルは2年ぶりの高値圏。オマーン、バーレーンを加えた湾岸のドルペッグ採用5カ国の通貨はいずれも公式の連動レートを大幅に上回る水準で取引されている。


米ドルペッグ制とは自国・地域の通貨価値を米ドルに連動させる固定相場制のことです。対米輸出比率が高く、米国と景気の連動性が高い国・地域で採用されています。湾岸産油国ではクウェートが今年5月、自国通貨のドルペッグを停止して主要通貨によるバスケット連動に移行。カタールを含む5カ国はドルペッグを続けているが、ドル安に伴う自国通貨下落でインフレが急速に悪化し、ドルペッグの修正による実質的な通貨切り上げが求められています。もっとも湾岸各国の外貨収入の大半は、石油や天然ガスの輸出の見返りに得るドルで、対ドル相場を切り上げれば在外資産が自国通貨建てで目減りすることになります。サウジやUAEの政府ファンドは多額の米国債を保有しており、切り上げに伴うリスクも大きいのが実情です。ただ、クウェートがインフレ抑制に成功した例もあり、私はこのカタールの決断を皮切りに、他の湾岸諸国もどんどんこれからドル建て資産の圧縮に動きだすと予想します。そして、その後、ドルペッグ制の見直しに踏み切るでしょう。ただし、ここで面白くないのがアメリカ。ドルの危機はアメリカ経済の危機を意味します。様々な手を使い反撃に出そうですが・・・。特にアメリカとのつながりが密接なサウジアラビアの今後の決断がキーポイントですね。今後ともオイルマネー、特に政府系ファンドの資産構成の変化から目が離せません。それが世界経済の行方にも大きくつながっていくからです。