☆欧州でしょうゆ普及目指す(10・7ビジネスアイ)


 しょうゆ最大手のキッコーマンは8日、欧州の食品・バイオ関連企業や研究機関が集まるオランダ東部のワーヘニンゲン市に、欧州向け商品の研究開発施設を開設する。
 日本国内では、しょうゆの消費量は減少傾向にあるが、海外では日本食ブームに乗って販売が伸びている。今後、米国で成功した照り焼きソースなど、しょうゆを基にした調味料を順次展開していく方針という。
 キッコーマンの茂木友三郎会長CEO(最高経営責任者)によると、欧州市場は今後10年間、「毎年、(しょうゆ出荷量が)対前年比で2ケタ成長で推移する」。米国やアジア地域以上の成長率を期待している。
 ただ、欧州ではしょうゆの認知度が低く、使い方もあいまいなのが実情。“食・バイオ関連の知の集積地”であるワーヘニンゲン市周辺は「フードバレー」と呼ばれるが、ここに30万ユーロ(約4800万円)を投じて「キッコーマン・ヨーロッパR&Dラボラトリー」を新設することにした。現地のワーヘニンゲン大学などの研究資源を有効活用し、欧州市場の需要やトレンドをとらえた上で、しょうゆ関連商品の開発を進める。
 オランダのハーグで同日会見した茂木会長は、新たな研究施設について「(製品を売る)市場の近くで研究開発する方がいいと判断した。(フードバレーと連携し)だんだんといいものが出てくると思う」と期待を寄せる。
 キッコーマンが、海外に食関連の研究機関を設置するのはシンガポールに続き2番目。オランダでは1997年10月にしょうゆの生産を開始。生産能力は当初年間4000キロリットルだったが、来年3月末にはほぼ3倍の1万1000キロリットルに達する見込み。


☆米議会・キッコーマン感謝決議案(10・4ビジネスアイ)


今年、米国進出50周年を迎えたしょうゆメーカー、キッコーマンによる米経済や食文化への貢献をたたえようという決議案が米議会に提出されている。どちらかといえば“日本たたき”が目立った米議会が、個別の日本企業を称賛する決議案を提出するのは異例だ。
 「キッコーマン感謝決議案」は9月7日、米下院に共和党のラングレン(カリフォルニア州)、ライアン(ウィスコンシン州)両議員が提出した。9月20日には上院で同じ内容の決議案がウィスコンシン州のコール、ファインゴールド両民主党議員から提出された。
 キッコーマンが、両州の生産拠点を通じて米経済の活力向上や、しょうゆ、照り焼きソースなどを通じた食文化に貢献してきたことや、会社と1000人の従業員が続けてきた教育・文化活動を評価し、50年の米国での活動を称賛する内容。
 キッコーマンは1957年6月、サンフランシスコに販売会社を設立。日本企業として戦後の米国進出の草分け的存在だ。米国を含めて海外でのしょうゆ類販売量は約15万1000キロリットルに上る。しょうゆは「ソイソース」としてスーパーやレストラン、家庭の食卓など米国人の食生活に定着、最近の日本食ブームで一段と存在感を増している。
 米議会では7月末に下院本会議で、慰安婦問題に関する対日非難決議が採択された。貿易摩擦が激化した1980年代は対日報復決議が上院で可決された時期もあった。決議は法的拘束力がないが、日本の個別企業を対象に感謝の意を表す決議案提出は珍しい。


 本日取り上げるキッコーマンはもしかしたら今後の食品会社の再編に新たに参戦する有望企業かもしれません。なんといっても「醤油」という日本食にはなくてはならない調味料の圧倒的シェアを誇る企業でもあり、昨今の海外での日本食ブーム。時流の波に乗っていますよね。折しも今年は北米事業に進出してから50周年という記念すべき年。活路を海外に求め海外進出で食品業界の先陣を切ったキッコーマン。忘れてはならないのが各国で政治の中枢にうまく入り込んでいるところですよね。民主党の小沢代表が就任後すぐにあいさつに行ったのがキッコーマン労組。そしてここでも取り上げたように米議会が異例の感謝決議案。これはこれからの海外戦略を占う上での強みとなるでしょう。醤油は先日のロシアビジネスの記事でも取り上げたようにロシアでもブームになりつつあり、今後新興国での需要も徐々に増えていくと期待できます。そして醤油を作る上で必要な発酵技術はバイオ分野にも生かせる技術なんです。現にキッコーマンは健康食品分野もすでに手がけていて、例をいうなら、通販限定で女性向けのヒアルロン酸とコラーゲンを配合した「はりつやサプリ」なんてものを出しています。北米進出50年の年にサブプライムショックが吹き荒れたのは皮肉ですが、逆にこのショックがもたらす円高が海外企業の買収をするのに有利に働く面も見逃せません。急激なこのところの円高から輸出競争力が鈍るとの連想が働き、投資家の物色の矛先は内需関連株に動きつつあります。ディフェンシブ銘柄の代表として、食品株がますます注目されそうです。今後のキッコーマンの戦略からも目が離せませんね。