☆過払い金返還、事業再編迫る・三菱UFJがニコス完全子会社化 (9/21 日経)
三菱UFJフィナンシャル・グループは20日、クレジットカード最大手、三菱UFJニコスの約1200億円の第三者割当増資を引き受け、同社を完全子会社化すると正式発表した。ニコスは「過払い金返還のピークは1年くらい続く」とみて、引当金を約570億円積み増す。2008年3月期の最終損益の見通しを155億円の黒字から、1118億円の赤字に修正した。過払い金の返還問題がカード会社の事業再編を迫る構図が続く可能性もある。
ニコスの大森一広社長は記者会見で「構造改革と環境変化への対応を断行し、一気に攻めに転じる」と述べた。同社の信販部門は三菱UFJグループの信販大手、ジャックスに移す。ニコスの従業員6600人の4割に当たる2890人を今後3年間かけて削減する。三菱UFJの完全子会社になるのに伴い、ニコスは08年7月に上場廃止になる見通しだ。
人員削減を伴う事業再編に踏み出すのは、利息制限法の上限金利(15―20%)を超えて受け取った「過払い金」の返還請求が続いているためだ。
☆三菱UFJ傘下の米銀、資金洗浄対策不備で制裁金
(9/18日経NET)
米司法省などは17日、三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の米地銀ユニオン・バンク・オブ・カリフォルニアが資金洗浄(マネーロンダリング)対策を怠たり、同行の口座が2003年から04年にかけて麻薬密売資金のやり取りに利用されていたとして、同行に制裁金と課徴金合計3160万ドル(約36億円)の支払いを命じた。同行は同日、支払いに応じるとのコメントを公表した。
司法省は同時に同行をカリフォルニア州の連邦地裁に起訴した。ただ、同行が起訴内容を認め、資金洗浄への対策を進める方針を明らかにしているため、有効な対策が実施されれば起訴を取り下げるという。
同行は04年に資金洗浄への対策が不十分として業務改善命令を受けた。それでも麻薬密売組織による口座利用を防げず、今回の処分につながった。
☆邦銀の成長シナリオに影(9/22 日経)
サブプライム問題の余波で主要国の金融機関経営が揺れている。直接の打撃に加え、資金調達コストの上昇や証券化業務の損失でも収益が圧迫されるからだ。邦銀の海外業務にも響いており、銀行株が売られる一因になっている。問題の1つ目は証券化商品の商品下落だ。例えばみずほコーポレート銀行が3月末時点で投資家として保有する証券化商品のエクスポージャー(投資融残高)は1兆4千5百億円にのぼる。サブプライム関連は売っているものの、クレジットカード与信分(3月末で2千6百億円)などもある。クレジットカード与信の証券化商品の相場はサブプライム問題の影響で数%下がっており、9月末の相場次第では打撃になる。2つ目はリスクの高いLBO(借り入れで資金量を増やした買収)業務だ。今春、サブプライムが問題になったころから、この分野でリスクを取る投資家が減り始めた。このためLBO融資が転売できず、金融機関が保有する間に融資の価値が下がる例が相次いでいる。これはモルガン・スターレーの減益の一因であり、メガバンクの一部がロンドンで手がけるLBO業務でも同様の影響が出る恐れがある。3つ目は信用収縮による調達コストの上昇。国際的に銀行の信用が落ちている影響で、銀行の資金調達レートであるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が上がった。メガバンクはサブプライム問題の影響が6億-数10億円程度としてきた。それは直接の影響分だけで間接的な影響は9月末にならないと確定しない。仮に損失が10倍に膨らんでも大手銀行の財務体力を大きく揺るがすほどではない。ただ、国際業務を戦略分野と位置づけているだけに、そこでつまづけば成長シナリオは見えなくなる。株安に伴う含み益の縮小と相まって邦銀の実力が疑問視され、欧米の投資家が銀行株から離散している。
銀行業界にまたしても暗雲がたちこめてきました。まず、一番の痛手はやはり傘下の消費者金融やカード会社の不振だと思います。ニコスの大幅赤字に伴って、三菱UFJの今期の連結最終利益は700-800億円ほど下押しされる見通しです。三菱UFJの今期の最終予想は8千億円。消費者金融やカード、信販業界では昨年1月の最高裁判決が利息制限法の上限を超える金利の受け取りを厳しく制限して以来、過払い金の返還請求が急増しています。07年3月期はオリコが4600億円超の最終赤字を計上。アプラスも293億円の最終赤字になりました。つい1年ほど前は孝行息子だったのに、突然の豹変、どら息子に
変わってしまったようなものですね。さらに追い打ちをかけるように、サブプライム問題の余波、米司法による制裁と、泣きっ面に蜂状態です。さらにサブプライムの余波として国内の住宅ローン固定金利 を下げたことも収益面での逆風となりそうです。せっかく立ち直り、いい方向に向かっていた銀行、そして金融業界の先行きが非常に懸念されます。