☆アブダビ政府系機関、コスモ石油の筆頭株主に(日経ネット)


 コスモ石油は18日、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ首長国の政府系投資機関、国際石油投資会社(IPIC)が約900億円を投じコスモに20%出資、筆頭株主になると発表した。UAEは日本にとってサウジアラビアに次ぐ第2位の原油輸入相手国。コスモへの出資を機に対日輸出を拡大、日本市場への影響力を強める。また協力の第1弾として、アブダビ政府がUAEで進める石油精製・石油化学複合事業にコスモが参加する方向で検討に入ったことも明らかになった。

 石油輸出国機構(OPEC)有力加盟国であるUAEのコスモへの出資で、サウジアラビア国営石油会社が15%出資する昭和シェル石油とあわせ、産油国系元売りが国内ガソリン販売シェアの4分の1超を押さえる。新日本石油や出光興産など民族系元売りや米エクソンモービル傘下の東燃ゼネラル石油に対抗する新勢力となる。


☆中東マネーアジア目指す(9/9日経)


中東産油国の対外投資が活発になってきている。石油収入急増で公的運用資産が膨らみ、民間資金も新たな投資先を求めているからだ。最近のオイルマネーの動向で目立つのはアジア重視である。さらに、産業基盤を広げるため外国企業を買収する、新しい流れも広がってきた。アジアとの貿易の比重が増してきたのに連れ湾岸諸国はアジア外交強化に動いている。「投資もルック・イースト(東を向く)だ」とサウジの経済人は言う。米同時テロ後、監視強化を嫌うアラブの民間資金が最大の投資先だった米国から逃げ出し、地元に戻ってきた。石油収入の急増、空前の経済開発ラッシュ、投資資金の還流が相まって、資産バブルが起きた。株価は05年から06年初めにかけてをピークに下落に転じたが、過剰流動性は続く。湾岸の資金はエジプトやトルコなど周辺諸国にあふれ出したうえ、アジアへの投資機会を探っている。アブドラ・サウジ国王が即位後まず訪問した国は効率の経済成長を続ける中国とインド、そして同じイスラムの国のマレーシアとパキスタンだった。この4カ国は湾岸マネーの投資対象とも一致する。ドバイの政府系不動産会社エマールなどはインドやパキスタンでの開発事業を発表。バーレーンの投資銀行GFHは中国のエネルギー産業に投資する計画だ。ドバイの投資会社DICは、中国やインドへの投資を増やして「これまで欧米に7割、新興地域に3割だった投資資金の配分を5対5に変える」方針という。ドバイのムハンマド首長が率いるUAEミッションが最近ベトナムを訪れ、ベトナムも重要な投資対象だと印象づけた。中東産油国はアジアのインフラ整備や産業育成に必要な資金の出し手になった。これに対応してマレーシアはイスラム金融市場を育て、アジアへの中東資金導入の窓口になろうとする。税制や会計基準などの面でイスラム金融への制度的対応が遅れている日本とは対照的だ。オイルマネーのもう1つの新潮流は、外国企業を傘下に収める動きだ。その代表例がサウジ基礎産業公社(SABIC)による米ゼネラル・エレクトリック(GE)のプラスチック事業買収である。安価な原料コストを武器に石油化学分野で川上の汎用素材の有力供給者となったSABICは、116億ドルを投じた買収によって、より川下の技術と販売網を手に入れた。クウェート投資庁が独ダイムラー社の筆頭株主として多額の配当を得てきたような、従来の純投資とは性格が異なる。産業政策とも結びついた投資の時代に入った。


いよいよ、オイルマネー、日本にも目に見える形で流れ込んできましたね。このところのサブプライムショックの嵐による株価急落でずいぶんとお買い得になった日本企業。今回のアブダビ政府系機関のコスモ石油への出資はまだほんの序章。これから、さらなる波が襲い掛かってくる予感がします。日本企業は石油を掘り出すことは苦手でも、石油精製技術に関して言えばピカイチ。今後、このように、日本の技術力に目をつけた買収が進みそうな気配です。今回のサブプライムショックの後に起こったことといえば、資金ショートを起こした中堅金融機関がバタバタつぶれ、それを資金力のたんまりある超巨大金融機関がどんどん傘下におさめる。結局こういう流れなのです。根底にあるのは弱肉強食の世界。だから、今後も、強いものはどんどんM&Aで巨大になり、中堅どころが買収の嵐にあうといった流れになると思います。その証拠に、各国政府の政府系投資機関がどんどんその存在感を増し、M&Aの表舞台に登場してきましたよね。それにしても、どうしようもないのが日本。郵政民営化のお金は外資に流れ、政府系投資機関も作れずですよね。もちろんたとえ作れたとしても実力勝負のこわいこわい世界。結果が出せるのかは?ですが・・・。それに引き換え、中国まで政府系投資機関を作ってしまいましたね。外貨投資機構(SIC)の規模は現在3000億ドルとのことです。ちなみに、今回記事に登場したアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ投資庁(ADIA)の資産規模はなんと8750億ドルと、気の遠くなるような規模ですね。

今後とも、オイルマネーの行方から目が離せません。