☆不動産マネー変調(9/6日経)


米不動産関係者が青ざめている。住宅価格の前年比下落は3月末の2州から6月末には5州に広がった。REITや銀行融資を通してマネーが住宅価格を押し上げる構図は音を立てて崩れ始めた。今年初めまで日米欧のREITに投資するファンドが相次いだ。ところが中心となる米REITの急落で解約が続出。ファンドは6月以降、解約に応じる資金を確保するため日欧のREITを売っている。直接の影響を受けた日本のREITは深刻だ。主要投資家である米ファンドなど外国人による売却で価格は急落。一時7兆円前後あった時価総額は5兆円台前半にまで縮小している。サブプライム問題は国内の不動産マネーの出し手にも響いている。住宅バブルにのめり込んだ欧米銀行が損失を被り、流動性に問題が生じた。それを目の当たりにした日本のメガバンクはリスク管理上の観点から不動産融資を抑え気味に運営し始めた。マネーの蛇口がきつめになることで、不動産購入には選別色が強まりそうだ。


☆サウジ年金庁 不動産に投資(9/8日経)


公的年金庁はサウジを代表する政府系ファンド「政府年金基金」を運営する。カラシ総裁は「理事会は最近、投資方針の変更を決定した」と述べた。日米欧の国債などを対象にして安定利回りを求めた従来の運用手法に加え、大規模な不動産開発に多額の資金を投入して収益力を上げることにした。日米欧の証券市場での短期売買もポートフォリオの一環として維持する。カラシ総裁は債券や株式中心の資産運用で「利回りは年3%を上回る)と明らかにした。総裁は外国で不動産投資を始める可能性について「何でもあり得る」と述べ、国内投資が軌道に乗れば海外に進出する姿勢をみせた。投資先には「経済成長率が高く、通貨が安定している国が望ましい」と指摘、日米欧の先進国に関心を示した。「案件ごとにカナダ、米国、サウジなどのコンサルタントに相談して決める」と語った。日本の不動産市場については「1990年代の低迷期を終えて地価は回復し、通貨も比較的安定している」と評価、新規投資に前向きな態度をみせた。日本株についても同じ認識を示した。日本企業株を保有しているもようだが、投資先の明言は避けた。国内では当面、政府年金基金の総資産の5分の1以下とみられる100億ドル前後を不動産開発に投じる。


本日とりあげた記事のように、不動産市況を読み解くのは難解な現在の状況。弱気派が大半を占める中、チャンスをうかがう強気派のオイルマネー。この2つの構図は、これからのサブプライム問題の影響を読む上でも、象徴的な構図になってくると考えます。まず日本のREITの問題を見ていきましょう。2003年には3本ほどしか上場してなかったREITが、その後の波にのり、現在すごい数になっています。物件の取り合いで、優良物件は都市圏にはほとんど残らず、地方にまで物件取得の波が押し寄せている状態ですよね。その状況でのサブプライム問題から派生した不動産市場への逆風。私は今後、弱小不動産ファンドがどんどん淘汰され、力のあるファンド、またはオイルマネーに飲み込まれる可能性があると考えます。不動産ファンド同士のM&Aの波ですね。金融機関が融資の蛇口をしめはじめた今、生命線はやはり資金力です。80ドルを突破した原油高の波にのるオイルマネー、どうも、日本の不動産にも関心を示しはじめたようですね。根底にあるのは、どんな状況でも、大が小をのみこむという不条理な世の中なんです。サブプライム問題から生じた不動産市況の変化、今後ともこの問題、要注意です。