太陽光発電で最高効率

…昭和シェル次世代タイプ量産品

FujiSankei Business i. 2007/9/4  


 昭和シェル石油は3日までに、住宅用太陽電池の発電効率が

最高で13・1%に達したことを明らかにした。同社の太陽電池は

薄膜型化合物系の次世代タイプで、化合物系の量産品としては

世界トップの数値という。太陽電池の世界需要は年率4割の高い

伸びが続いており、今後は安定的な高効率を目指し事業強化に

弾みをつける。
 同社の太陽電池は「CIS」と呼び、主成分である銅(Copper)、

インジウム(Indium)、セレン(Selenium)の頭文字からとった。

これらの成分からなる化合物を薄い膜状にしてガラス基板に塗布

している。従来の太陽電池がシリコンを使っているのに対し、

CISはシリコンを使わないため、原料(シリコン)の安定供給問題に

影響されないといった特徴があり、同社は7月から宮崎工場(宮崎市)

で商業生産を始めている。
 同社は生産品を抜き取り、太陽光をどのくらい電気に変えるかを

示す発電効率を調べたところ、従来品の10%程度から13・1%に

高まっていた。産業技術総合研究所に測定を依頼したところ、

同じ数値が確認された。
 昭和シェルでは、ガラス基板への製膜など生産ラインの最適化に

よって発電効率が向上したとみている。今後、要因を細かく分析し、

安定的に高性能を発揮できるようにする考えだ。
 太陽電池の薄膜型は、シリコン系とCISなど化合物系に分かれ、

CISは昭和シェルのほか、ホンダやドイツのメーカーなど世界で

10社程度が量産もしくは試作を進めている。
 現在、住宅用太陽電池の主流は最大手のシャープなどが採用

している多結晶シリコン系。

発電効率は13~14%程度で2030年までは22%まで向上すると

みられている。
 これに対し昭和シェルのCISは平均で10%程度だったが、CISの

研究を同社に委託した新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

では、CISも30年までに多結晶シリコンと同じ発電効率を達成するとの

見方を示している。
 昭和シェルのCISは発電に使う金属層の厚みが、シリコン系の

約100分の1と薄く、素子も黒いため、屋根材との一体感も増し

デザイン性に秀でている。販売価格もシリコン系とほぼ同じだ。
 国内のほか、欧州などからの引き合いも多く、09年前半には

第2工場を操業。生産能力を現在の4倍の年80メガ(1メガは100万)

ワット、標準的な住宅の2万7000戸分に引き上げる計画だ。


 昨日の記事でホンダの太陽光発電参入について触れましたが、

私は将来、原料不足でコスト高になる恐れのある

「多結晶シリコン型」より昭和シェル、ホンダの「薄膜型」が主流に

なるような気がします。発電効率を高める技術さえ確立すれば、

発電に使う金属層の厚みが薄く、素材を使う量が少ないためコストが

割安になり、収益面から見ても断然有利で、さらに量産化が進めば

一台あたりの値段を安く設定することができ、どんどん消費者に

受け入れられていくと思うのです。やはり現在200万程度する

太陽光発電システム。いくら興味があってもこの値段ではやはり

まだまだ高嶺の花。将来100万切るぐらいになれば需要も相当な

ものになると考えられます。新工場稼働後の昭和シェルの

生産能力は国内企業ではシャープ、三洋電機、京セラ、三菱電機の

4社に次ぐ規模になるとのこと。石油会社でもある昭和シェルが

ここまでのシェアを取るということは、同社の並々ならぬ意欲が

感じられます。

 太陽電池の2006年の世界生産量は2500メガワットと前年比4割

伸びたとのこと。太陽電池で発電した電気の買い取り制度が

充実しているドイツなど欧州を中心に需要が拡大しているとの

ことです。昭和シェルは欧州向けに太陽電池を輸出するほか、

石油製品やLPGの販売網を通して国内でも販売を強化。

09年には国内で取り扱う販売店を50~100店に増やすとの

ことです。世界でオイルマネーが環境マネーに流れるように、

国内でも石油業界がそろそろ環境事業へ軸足を変え始めた

感じがします。