前回の記事 で、久しぶりに再開できたヴィヴァルディの「四季」。


特に思い入れが強い「夏」はどうしてもいろいろなことを考えてしまい、
全体をまとめるのに結構な苦労をしているのですが、
おそらく全部で7回か8回になりそうだとわかってきました。


また花の旅に出かけたらその記事も間に挟むことになりそうですので、
夏が訪れる前に書ききれるか心配しつつ、
4回めの今日は、引き続き「夏」の第2楽章について書いていくことにします。



まずは2回め の記事で触れたソネットの再掲から。


・第2楽章 アダージョ

(激しい稲妻と雷鳴の予感と/大バエ小バエの乱舞のために
 /疲れた体を休ませることもできない。)

※アダージョ: 音楽用語で「ゆったり」


<夏の色彩イメージ>



第1楽章の色彩イメージは、重い灰色に始まり、鋭く光る黄色で終わりました。
第2楽章はその隣の白と、これに続く暗い灰色の世界です。


逃れられそうにない嵐に捕らえられた動揺や不安、忍び寄ってくる恐怖感。
何も考えられない状態に陥った空白の心。
そして雲の分厚さが増して光が失われていく空の様子が、ありありと心に浮かびます。




ソネットの「大バエ小バエに悩まされる」という描写には驚きましたが、
「激しい稲妻と雷鳴の予感に、疲れた体を休ませることもできない」は、
私のイメージする世界と非常に近いです。


高くも低くも感じられない、静かな弦楽器の音色がベースに流れ、
時折オーケストラが分厚い音を細かく刻むように被せていく。
その分厚い音が現れては消え、また静かな音色に戻る。
これを4回ほど繰り返します。



第1楽章の始まりの緩やかな旋律は「嵐の前の静けさ」を思わせましたが、
第2楽章の静けさは、明らかに種類が違います。
もうすでに嵐の渦中に巻き込まれてしまい、身動きのとれない失望感


先ほどの激しい雨はいったん弱まったものの、より厚い雲が刻一刻と近づいてくる。
冷たさを帯びた風が、樹々の葉が揺れる音を増し加えていく。
不気味な雷の響きが空を渡っては止み、止んではまた鳴り響く。



もう暫くの間は、この状況は変わりそうにない。
…そんな情景が、否が応でも心に浮かびます。




数十分も待たずに天候が回復するときは、
自分の頭上が重い灰色の雲で塞がれていても、西の方向に微かに雲の切れ間が見えます。
上空の風が強くて、雲の流れが非常に速い場合も同じです。


ですが視界全体、見渡す限りまったく均一に雲に包まれてしまい、
空全体が澱んでいるようでは、そう早くは回復が見込めません。


こういった状況では、花の旅に出かける勇気(?)は出ません。
「夏」に関しては風景写真を紹介するのは無理かなと思っていましたが、
ぴったりの状況がありました。


長い記事になってしまったので、次回はその様子を含めて書いていきたいと思います。




にほんブログ村