虫が嫌い


飛ぶ虫も這う虫も

生きてても死骸でも

セミの抜け殻にすら「ひぃいいいっゲロー」ってなる





一人暮らしをしていた頃

バルコニーの物干しに、お腹の大きなカマキリがとまっていたことがあった


季節は晩秋。

そろそろ虫たちの活動もおとなしくなってくる頃である。

しかしカマキリ。捕食時以外はのっそり動く生き物だと認識している。


こいつはどうだ?


まだまだ元気で、私が手を出そうもんなら

容赦なく襲いかかってくるつもりか?!

それともすでに青息吐息な感じか?


窓ガラス越しに、両者しばし睨み合う

私が左右に動けば、その動きに合わせて首を振る

確実にこちらを見ている


「ロ、ロックオンされておる…滝汗


私は両手に脱水したばかりの洗濯物を抱え、

しばらく窓辺に突っ立っていた





「ほ、干さねば…」



我にかえり、このまま見つめ合ってても埒があかないと腹を括る。

意を決して窓ガラスを開ける。

そっとベランダサンダルを履く。


鎌をもたげ、私の一挙手一投足を見つめるカマキリ。


「あ、お構いなく〜にっこり 今日は寒いスね〜」


って声かけながら、さも気にしてませんよーって風に淡々と干していく。


カマキリ氏の周り30センチくらいを空けて

全て干し切った。

その間、常に注がれる眼差し真顔

めっちゃ警戒してた。



カマキリ氏、洗濯物取り込む時間までそこにいらした。


てか、1週間くらいいた。

微妙に居場所は動いてたけど、ずっと物干しの上をキープ。



毎日、私が洗濯物を干すのを眺め、

私が洗濯物を取り込むのを見守ってくれていた



そしていつの間にか居なくなっていた





現在。


娘は幼稚園でお友達と戯れてるうちに

虫とも戯れることができるようになった

バッタを追いかけて捕まえられるようにもなった


ある日、ダンゴムシを捕まえたらしく

「どーっちだ?!」と

両手をグーにして突き出してきた。

「こっちかなー?」と返すと

「当たりー爆笑


開いた手の中には、たくさんの黒い球が…滝汗


ちょ、おま…アセアセ

何匹にぎってたんだよーゲロー




娘には勝てない。

やっぱり私は虫苦手。

できることならこの先の人生、1ミリも関わらずに生きていきたい笑い泣き


娘よ、虫が出たらママを助けて凝視